ピルツジャパンのブログ「月刊 裏ピルツ新聞」

2016年12月21日更新ぼったくり?いえいえ、マーケット価格です!

この時期のドイツと言えばクリスマスマーケット。私も何度かこの時期に訪独したことがありますが、何が凄いって日本人観光客のあまりの多さにいつも唖然とさせられます。特に、バイエルン州第二の都市であるニュルンベルクのマーケットは何でも世界的に有名(と日本の旅行会社パンフレットに書いてあります)らしく、夕方になると各旅行会社の「あの旗」とともに日本人客が大挙して現れ、自分が果たしてドイツにいるのか東京ドイツ村にいるのかわからなくなるほどです(なお名前は東京ドイツ村ですが、所在地はあのネズミの王国と同様に千葉です)。

クリスマスマーケットはドイツ語で「Weinachtsmarkt」といいます。日本より高緯度のドイツ、冬の夜は早く長いため、景気づけの呼び物として始まったようです。中規模の街ならドイツ全土の至る所で開催されます。どこも「オラが街が一番」と言っていますが、実際にはどこも大した違いはありません。共通の「仕様」としては、「木造家屋のような大き目の屋台」「ドイツにしてはハデ目のイルミネーション」「この時期限定のお菓子&ホットワイン」というところです。

クリスマスのお菓子といえば、シュトレン(Stollen)とレープクーヘン(Lebkuchen)の双璧。シュトレンはバゲットみたいなパンにナッツなどを練り込んだもので、私は食べたことがありません。レープクーヘンは蜂蜜で甘味付けしたパイにシナモンなどで風味をつけ、チョコをかけたもの。法律でレシピが決まっているそうで、それに則って作られたものだけが晴れてレープクーヘンを名乗れるあたり、いかにも規則大好きドイツらしいところです。

肝心の味もまさにドイツらしく、甘さ一直線で深みはナシ。シナモンやナツメグなどのエグみだけが後を引きます。「これがクセになるんだよ」と言われて10年以上、毎年送られてきてもクセになる気配は全くなく、味覚が根本的に異なることを再認識させられます。というわけで、シュトレンも推して知るべしという偏見から食べていません。

ホットワインはグリューヴァイン(Glühwein)といいます。長靴の形をしたカップで提供され、かなり熱いので冷ましながら飲みます。味は普通のワインと違って、物凄く甘いです。リンゴやオレンジに加えて砂糖を大量に入れるので甘いのは当然なのですが、さらに香料としてシナモンを結構な量入れるため、風味の強さは相当なもの。私はひとくち飲んでゲップ…。あれもシナモン、これもシナモン。クリスマスマーケット=シナモンというイメージが刷り込まれている私です。なおカップは購入もできますが、食器全般は帰国時検疫でひっかかる恐れがあり、要注意です。

残る屋台では、クリスマスチックな土産物が所狭しと置かれています。ソーセージやハムなどはもちろん、くるみ割り人形や小型のツリー、キャンドルなどが定番ですが、これらはほとんどがデパートで普通に買えるもので、しかも値段はデパートよりはるかに高いため、現地の人は見向きもしません。

つまり、マーケットの屋台ではまさに「マーケット価格」につり上げられているのに、日本人をはじめとする外国人観光客の財布の紐はイルミネーションとシナモンでゆるみまくり、飛ぶように売れています。それをいいことに、最近では黙っていても売れるマーケットに粗悪品を並べる業者もいると聞きます。シナモンに飽き足らずパチモンにも手を染めるとは、ドイツ人商魂恐るべし。

それでもイルミネーションに照らされた日本人観光客は、みなさんとても素敵な笑顔を浮かべておられます。そういえば日本のお祭りだって「お祭り価格」は似たようなもんだよな、細かいことは気にせず楽しむのもありだな、と最後は思いました。

ところで、わが町横浜では赤レンガ倉庫前で今年7回目となるドイツ風クリスマスマーケットが開催されて呼び物になっていますが、ミュンヘンの有名なホフブロイハウスの白ビールが何と一杯1000円!ソーセージ盛り合わせは2800円!!ドイツの倍近い値段で、とても手が出ません。「マーケット価格」は、日本でも健在のようです。

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