ピルツジャパンのブログ「月刊 裏ピルツ新聞」

2017年11月15日更新夢と魔法と欲と疲労:TDR攻略法

早速ですがTDR好きです。毎年3~4回は行きます。今は関東に住んでいるので、TDRは日帰り前提ですが、かつて大阪に住んでいたこともあり、地方から舞浜へネズミ参拝する気持ちは、物凄く良くわかります。

いいトシのおっさんが遊園地の一体どこにそれほど惹かれるのか? 私の場合、答えはひとつ。

「TDRは征服欲を満たしてくれる、高度に戦略的なサバイバル空間だから(キリッ)」

これです。何を言っているのか全くわからないという方がほとんどでしょうが、「お前とはいい酒が飲めそうだ」と言って下さる方もきっといるでしょう。それでいいのです。ただでさえ破滅的に混んでいるTDR、これ以上私のような変態は増えないに越したことはありません。

ただ、読者のご家族は単純に黒いネズミとか白いアヒルとか青い宇宙人とか何とかに盲目的に会いたい欲求に駆られることも多いでしょう。そんなときのために、あなたのTDR体験が少しでも「充実」したものになる(かもしれない)豆知識をいくつかご紹介したいと思います。

※黒ネズミに縁も興味もないアナタ。私もネズミに親近感はまったくありませんでしたが、幾多の戦場を乗り越え今は征服対象として崇敬するに至りました。

TDRでの征服欲、それは即ち「一日でいくつアトラクションを回り、いかにスムーズに食事を取り、自慢できるお土産をしこたまゲットして、ゲートを出るその時に『今日は楽しかったね♪』と振り返れるか」ということに尽きます。そのためには、もしかすると仕事とは比べ物にならないほどの事前準備と周到な計画、そして当日臨機応変の機動的行動力が必要です。

冗談ではありません。初めてTDRへ行き、特に何も準備せず朝10時頃に入場した結果、乗れたアトラクションはたった2つ、レストランには入れずじまい、という方は珍しくありません。1DAYパスポートは一人7,400円もするのに、無策で臨むと完膚なきまでに叩きのめされる非情な戦場、それがTDRです。ではどうすればいいのか? 早速事前準備からご案内します。

まずは日程を決めなくてはなりません。たいていは土日になると思いますが、理想的には1か月くらい前に日付指定のパスポート(一日券)を購入しておくと、当日混雑で入場制限がかかった場合も優先的に入場できます(最近はほとんど制限日がなくなりましたが、5年くらい前は頻繁に制限かかっていました)。かつて有楽町電気ビルのTDLチケットセンターに並ばなくては買えなかったパスポートも、今やネットで購入できるようになりました。

実はパスポートを買う前にしなくてはならないのが、レストランの予約です。TDL、TDSともに園内には多くのレストランがありますが、予約なしで当日突撃すると1時間近く待つこともざらにあります。貴重な滞在時間を食事待ちに費やすのは非効率。さらに、食事中にキャラクターのショーが見られるレストランは予約客しか入れないため、空いている時間帯が朝から晩まで全くない場合は、別の日にしなくてはなりません。なので、レストランで座って食事する前提であれば、パスポートより前にレストランを押さえる必要があるのです。

予約サイトでは、園内のレストランだけでなく、園外の公式ホテルレストランも予約でき、ちょっと離れているのとお値段も少々高めですが、味もサービスも折り紙つきです。おススメは東京ディズニーランドホテルにあるシャーウッド・ガーデンのビュッフェで、ぜひディナーにどうぞ。高級なイメージですが、お子様連れ前提ですからカジュアルに楽しめます。

一方、キャラクターなどが踊ってくれるショーを見ながら食事できるショーレストランもおススメです。こちらも全回全席予約席なので、早めに押さえておく必要があります。

ちなみに、TDL、TDS共に持ち込み弁当は「ピクニックエリア」と呼ばれるところでのみ可ですが、私は行ったことありません。写真で見る限り、禅寺の庭並みに寂寥感あふれる雰囲気です。

レストランとパスポートがゲットできたら当日のプランニングです。公式サイトを見ると、当日のスケジュールが分刻みで書かれています。アトラクションは基本的に開園から閉演までひたすら同じ内容を回しているわけですので、このスケジュールは主にパレードやショーなどのイベントについて、場所と時刻が書いてあります。

パレードは決まったルートをキャラクターが乗った山車が練り歩くもので、ルートの沿道で見ることになります。沿道も黒山の人だかりで、前に座らないと何も見えません。つまり場所取りが必要になるため、「どのパレードをどこで見るか?」を事前に決めておいた方がいいのですが、ここで天気の問題が出てきます。晴れならただ地べたに座っていればいいのですが、当然、雨や雪の日もあります。そうなるとパレードそのものが中止になり、予定がいきなり崩れるため、私は昼間のパレードは「見られたら見る」程度の優先順位にして、アトラクションを優先します。

だいたいこの辺りまで決めたら、あとは当日。TDRはだいたい8時開園ですが、私(と家族)は7時頃には入場ゲート前に並びます。その頃にはすでに各列100人くらいは並んでいて、1番前はいったい何時から来ているのかといつも思います。超早朝に来ても並ぶことはできない一方、何時から並べるのかは発表していません。駐車場も開場時刻を明かしておらず、経験値がモノを言います。

ここからすでに戦いが始まっています。1時間近くもひたすら立っているのは辛いので、拙宅は折りたたみ椅子を複数リュックに入れて行き、開園まで座って待ちます。椅子に加え、空気を入れて膨らませるキャンプ用のクッションシートも必需品ですが、これは後程。当然ですが、10時間以上も歩き回る場ですからハイヒールや革靴なんて論外。

夜明けのTDL。長い一日のはじまりです。

TDRのショーはいずれも非常に完成度が高く、子供はもちろん大人が見ても存分に楽しめます。特にTDLの「ワンマンズドリーム」とTDSの「ビッグバンドビート」は圧巻の一言で、「ハハッ」と甲高い声で笑うあのネズミが世界に冠たる稀代のエンターテイナーであることを思い知らされます。ショーは両リゾート共に複数回の公演がありますが、いやらしいことに当日朝の抽選しか受け付けません。以前はパスポートを持って抽選所へ行く必要がありましたが、今はスマホのアプリでスキャンして抽選できるようになりました(ただしGPSで園内位置確認が入りますので、入園するまで抽選できません)。最終プランが立てられるのは、天気を含めて当日朝ということになります。

それまでに決めておくべき内容として、「どのアトラクションに並ぶのか?」という重要課題を決めておく必要があります。ただし、単純に「わたし、プーさんがいい」などという意見に首肯することはできません。“プーさんを選ぶということが、どういう意味を持つのか?”を考えなくてはなりません。

人気のアトラクションには、ファストパス(FP)という整理券システムが導入されています。これは、先着順に入場可能時間帯が指定され、その時間帯に行くと、スタンバイ(通常待ち)の列に並ぶことなく、ショートカットでアトラクションに入れる(乗れる)というものです。

各アトラクションの前にFPの機械が設置され、人数分のパスポートをスキャンすると、入場可能な時間帯(60分単位)が表示されたFPが人数分印刷され出てきます。先着順ですので、時間帯の定員が埋まれば次の時間帯に回されます。大人気のアトラクションだと、開園から1時間以内には当日分のFP発券が終了してしまい、そのあとはスタンバイ(待ち)のみ、200分待ちも珍しくない長い長い列にひたすら並ぶしかありません。

「じゃあ、開園と同時に全部のアトラクションを走り回ってFP発券すれば、全部乗れるのか?」というと、そんなことはありません。FPは発券後1時間は他のFPを取ることができないシステムになっており、その間に他のFPが売り切れになることもあります。1時間後には先に発券したFPの入場時間帯に関係なく何度でも発券できますが、アトラクションを選んで発券しないと、スタンバイの列に並んでいる最中に入場時間帯が来てしまうことなどがあり得るため、園内にいる間は常にスマホでアトラクション別のスタンバイ時間をモニターし、持ちFPの時間帯とスタンバイ時間を見比べながら機動的に並ぶ必要があります。

スマホのスタンバイ時間は10分更新ですが、食事時やショー、イベントによって増減することもあり、前を通りがかったらスタンバイ時間が短かった場合はその場で並ぶ判断も求められます。天候が悪い時ほど室内滞在型(動かない系)のアトラクションに流れるなど、刻一刻状況が変わるため本当に気が抜けません。

 

さて、先ほどのプーさんです。プーさんがはちみつを探す旅に出るというアトラクションは、入場ゲートから一番遠いところ、おそらく1kmくらい先にあります。つまりそこまで歩いて行く時間と体力が必要になるわけです。FPがゲットできたとして、他のアトラクションのFPが発券できるのは1時間後。それまでに売り切れる可能性があるFPのほうを優先することで、2つの人気アトラクションに行ける可能性が出てきます。ならば入場ゲートに近いモンスターズインク、あるいはバズライトイヤーを優先するのがセオリーとなります。8時のゲートオープンと同時に各馬いっせいにスタートしてお目当てのアトラクションまで全力疾走、というのがかつて朝の定番でしたが、ふだん運動もしていない中年がいきなり走れるわけもなく、皆が殺到する第一コーナーで足がもつれて転倒→倒れた人につまづいて他も転倒→阿鼻叫喚、という香ばしい事故が頻発したためか、全キャストが両手を広げて「絶対に走らないでください!」とかなり怖い顔で制止するようになりました。結果、競歩のような異様な早歩きでウネウネと目的地へ向かう姿が新たな朝の風景になっています。

もうおわかりでしょう。朝10時頃に入園した場合、このFP発券合戦はすでにほぼ終了しています。ひたすら数時間に及ぶスタンバイ列に並ぶか、人気がないFPの遅い時間帯で妥協するしかありません。無策で出遅れた挙句、長い列に並んでも、ラブラブなアナタといっしょならすこーしもさむくないわー♪と言うのを額面通りに受け取るから、TDRに行ったカップルは別れるのでしょう。いえ、別に私の話ではありません。

日中のルーチンは先ほど申し上げた通りです。すなわち、人気のアトラクションFPを戦略的にできるだけ早く多く取り、どうしてもスタンバイに並ばざるを得ないアトラクションはスマホでモニターしながら待ち時間が短くなるタイミングを狙う。もちろん、レストランの予約時刻とそこまでの移動時間は考慮した上での行動になります。

FPがない人気アトラクションの場合は並ぶしかありません。特にネズミ閣下と写真が撮れる家は大人気です。拙宅の場合、だいたい私が並ぶ役で、入場まで10分くらいになるまでパパが一人でスマホ&ゲーム&外付けバッテリーでしのぐ一方、家族は待ち時間中に乗れそうな別のスタンバイに並ぶという、カップルにはできない二局面展開です。すべてがスマホ前提に成り立つ戦略で、FPも携帯電話もなかったころのTDL攻略法なんていまや想像もつきません。娘よ、テクノロジーに感謝しなさい。

残るは夜のパレードです。私はバブル世代で、エレクトリカルパレードは絶対にはずせません。電球時代からずっと見ているファンは、最近のLED満艦飾とダイナミックに変化する色&模様に隔世の感を覚えます。20台近くあるフロート(山車)は全車の動きとLED発光タイミングが園内のスピーカー及び照明と瞬時のずれもなく完全同期しており、特に冴えた冬の夜には大きな感動を与えてくれます。すでに初代エレクトリカルパレードから32年を経ていますが、細かい改良を加えてはいるものの基本的に同じ内容にもかかわらず、全く見飽きることがありません。

エレクトリカルパレードを見るならやはり最前列。だいたい40分くらい前から場所取りすればまず大丈夫です。とはいえ、硬い地べたにずっと座っていると尻が物凄く痛くなるため、先ほどの空気を入れて膨らませる、折りたたみタイプのクッションシートが威力を発揮します。パレード時、最前列では椅子の使用は厳禁のため、クッションシートなら尻が痛くならずにパレード中を含め長時間座っていられますし、たたんでリュックにしまえば移動も楽々。私はモンベルのものを使っています。空気を吹き入れて膨らませれば尻は痛くならず、空気を抜けばたたんで収納できるスグレモノです。

アトラクション、パレードと順調に消化した後はお土産ですが、実は後ではなく前のほうがいいです。出口付近にあるエンポーリアムなどの巨大なショップは、帰宅前にお土産を買うゲストで溢れかえり、20時半過ぎは満員電車なみに混雑します(パークは22時までですが、特に地方行き深夜バスは21時頃発車してしまうためです)。お土産はすいている昼間のうちに買っておいて、これまた出口付近にあるコインロッカーに放り込んでおくのがセオリーです。

 

こんな具合に朝7時頃から夜10時の閉園時間まで、あの手この手を尽くすと、だいたい10~15くらいのアトラクションに乗れます。体力だけでなく知力も消費しますので、ランニングが趣味の私でも1日が限度。フルマラソンよりはるかに疲れます。もちろん、エンターテインメントとして一級なのは間違いありませんが、体を使ったパズル的な要素は、いいおっさんも夢中になる面白さがあります。

この他、ファンの間ではかなり知られたトリビアをいくつかご紹介します。

 

・誕生日シール

ゲートでも、カストーディアル(清掃員)でも「この子(私)、誕生日なんです」と頼むと、Happy Birthday!と書かれたシールに名前を書いて「これを目立つところに貼っておいたら、きっといいことがありますよ」と言って渡してくれます。胸に貼っておくと、キャストのみなさんはめざとくシールを見つけて「○○ちゃん、誕生日おめでとう!」と声をかけてくれます。もちろんディズニーキャラクターも指差してハグしてくれたりします。別に証明書なんて求められませんので、その日ズバリでなくてもOK。

・ウェスタンリバー鉄道の汽車は、本物の蒸気機関車

あれは電気ではなく、灯油で水蒸気をつくって推進する本物の蒸気機関車なんです。福島県の工場で作られたもので、1周1.6kmを走るのに水2トン!を消費します。汽笛も本物ということですね。銀河鉄道999世代の私は大好きです。

・ミッキーに手紙を渡すと、返事をくれる

私の娘は、ミッキーと写真を撮る際に一時期まで必ず手紙を書いて手渡していました。結構喜んでハグしてくれたりするのですが、驚いたことに数日後、ちゃんとミッキーから返事の葉書が届いたのです。こういう細やかな心配りが何十年にもわたって愛される理由の一つなのですね。

・身長制限で入れなくても・・・

次女が小学校の頃、TDSのセンター・オブ・ジ・アースに乗ろうとしたとき、身長が規定に達せず乗れませんでした。ガックリきた娘にキャストさんがちょっと待って!と渡してくれたのが「未来のチャレンジャー証明書」という一枚のチケット。「大きくなったら、また来てね」ということで、その時には少ない待ち時間で家族と一緒に乗れる「リターンマッチ券」だったのです。娘は目をキラキラさせながら「ありがとうお姉さん!きっとまた来るよ」と大喜び。先月6年ぶりにTDSに行ったときも「あのチケット嬉しかったなー」と覚えていました。残念ながらこの制度は今は廃止になってしまったようですが、子供の目線をつねに忘れないTDRの姿勢には頭が下がります。

・会員専用のクラブがある

ワールドバザールの中、三井住友銀行の隣に「33」とだけ書かれた扉があります。これがクラブ33と呼ばれる会員専用のクラブ入口です。ネットがなかった昔は存在そのものが都市伝説でした。私はもちろん会員ではないのですが、TDRのスポンサーなどが接待をするためのラウンジであることは確かなようです。会員募集しているのかどうかさえわかりませんが、これもまた「夢の空間」なんでしょうね。

・「いらっしゃいませ」は言いません

園内のショップやレストランでは、販売担当のキャストは「いらっしゃいませ」とは言いません。ゲストがくれば「こんにちは」、ゲストが出ていくときは「いってらっしゃい」に統一されています。ビジネスライクな挨拶より、魔法の王国にいるということを感じてほしいからだそうです。同じ理由で、迷子の案内アナウンスも行われません。迷子センターがあり、迷子になった子はそこに行けば家族に会えるようになっています。

・ミッキーはひとり

TDL、TDSのあちこちに現れては笑顔を振りまくミッキーマウス。もちろん世界に一人しかいない稀代のエンターテイナーなのですが、あるTDRファンのグループがTDR全アトラクションにメンバーを配置、終日張りこんで動静を追い続けたところ、間違いなく「ひとり」しかいない、つまり同時に別の場所に現れたタイミングは存在しなかったそうです。ただ、TDLで舞台そでに消えた10秒後に今度はTDSに現れるといった、物理的に謎の残る移動はあったようですが、そこは夢と魔法の王国。魔法にかけられたい世界中のゲストを今日もTDRは笑顔と最高のホスピタリティで迎えてくれていることでしょう。

 

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