ピルツジャパンのブログ「月刊 裏ピルツ新聞」

2017年6月21日更新現代英国に舞い降りた吟遊詩人 エド・シーランの世界

ピルツの杉さまです。子供の頃から音楽が大好きで自分でも演奏したりしているのですが、「今イチオシのアーティストについて書いて!」と、編集部から急なオファーがあり、僭越ながら書かせていただきました。

それで、誰を紹介しようかな・・・と迷っていたのですが、急にエリック・クラプトンの懐かしいオールディーズを聞きたくなり、ベストアルバムなどを聴いていました。最近はYoutubeで無料でライブ動画なども見られて、音楽好きには本当にありがたい時代です。

何日か過去の名曲を聴いた後、最近はどんな曲をやっているのだろう、まず下調べにYoutubeで見てみよう、と思いネットで検索していたところ、「I Will Be There」という曲を若手アーティストと二人で演奏している動画を発見!しました。最近のクラプトンの曲の中ではこの曲が私のお気に入りなのですが、彼と共演しているこの若者は誰?---と、“知りたい病”が出てきました。だって、20代そこそこでクラプトンと共演しているんですよ!気になるじゃありませんか。

調べているうちに、結局その若者、エド・シーランの世界にどっぷりとはまってしまいました。

中世にリュートを弾きながら各地で歌いながら旅をした「吟遊詩人」が現代に舞い降りたら、きっとエド・シーランになる—そんな気がします。高校を中退して、ギター1本で旅をしながら年間300回ものライブをこなしたとも言われる彼ですが、好きだからこそそこまでできるのでしょう。放浪生活で出会ったホームレスの麻薬中毒患者の女性のことを歌った「The A Team」など、彼の詩は英国の現実社会を生々しく映し出し、優しさと慈愛溢れる歌詞と甘く切ないメロディで聴く者を魅了します。

中世の吟遊詩人(イメージ)

 

1枚のアルバムを作成するのに120曲もの曲を準備するそうですから、アルバムに収録される曲の完成度の高さにも頷かされます。発売されている3枚のソロアルバムは「+(プラス)」にはじまり、「x(マルティプライ)」、最新作の「÷(ディバイド)」と続きます。次作は間違いなく「-(マイナス)」でしょうか?

前述の「The A Team」はファーストアルバムの代表曲ですが、セカンドアルバムにも数々の名曲が収録されています。中でも1曲目の「One」の澄み渡るアコースティックサウンドは、彼のシンプルな音楽性が全面に出ている傑作です。もし私がギターが弾けたら、一日中弾き語りしてしまいそうです。

サードアルバムからは3曲もお勧めしてしまいます。準備はよろしいでしょうか? まず、辛い別れを経験したことのある方ならきっと共感できる歌詞と、エドの哀愁溢れる歌声を聴いていると本当に切なくなってしまう「Happier」。自分といた時より新しい彼と暮らしてずっと幸せそうな彼女、そして彼女と一緒にいた時の方が幸せだった自分。友達に君も今より幸せになるよ、と言われても、やっぱり悲しみはそう簡単には消えない。

恋している人、また妄想で恋をしたい人にお勧めなのは、「How Would You Feel」。この曲はアメリカの名ギタリストジョン・メイヤーがギターソロを担当しているようです。エドが自分で弾いてもよかったのでは、という声もありますが、抒情たっぷりの甘~いソロはジョンにしか弾けなかったのでは?と、ジョン・メイヤーファンは絶賛しています。

そして、3曲目は自分が死んだ時、息子から歌って欲しい曲「Supermarket Flowers」。「あなたは母の姿をした天使だった…」。そんなこと息子本人の口からは絶対に聞けないので、嘘でもいいので、この曲を私の追悼式(そんなものがもしあれば)で流して欲しいです。ちなみに、この曲に登場するのは聖書の12弟子の中心人物、Matthew(マタイ)とJohn(ヨハネ)。これはきっと偶然ではないような気がします。

3枚のソロアルバムに加えて、エドがエイミー・ワッジと一緒に書いた曲を集めた5曲入りEP「Songs I Wrote with Amy」もお勧めです。他のアーティストとの合作や有名アーティストへの楽曲提供もしているエドですが、エイミーとのコンビはお互いの持っている音楽性が引きだされて特に成功しています。だからこそ、本人もアルバムにこんなタイトルを付けたのでしょう。中でも「Fall」や「Where We Land」での二人のハーモニーが素晴らしく、エイミーの高い音域がいい味を出しています。

失礼ながら、見た目からは想像しがたい繊細なエドの感性に感動しながら、今日もまたアルバムを聴きながら帰宅につきます。紹介した曲以外にも多くの名曲がありますので、ぜひみなさんも通勤時間に聞いてみてください。きっと心に爽やかな風が吹きます。

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