2016年7月19日更新 【第1話】「まさか!」は日常の中に …
木漏れ日が気持ちよい昼下がり。 サンズFluss(川です)の岸辺に、こんもりと茂る大木の下で、Pちゃんはスヤスヤとお昼寝をしている。 ちょうどそこを通りかかったヤス先生。ほのぼのとした風景を眺めながら、
ヤス「かわいい顔しおって。何も心配ごとなどないのじゃろうな…」
ふと視線をずらすと、太い木の幹が思いっきりえぐられているのに気がついた。
ヤ「こ、これは・・・?!」
近づいて見てみると、どうやら鋭いツメで引っ掻かれたようだ。
ふと気配を感じて木の上を見上げると、なにやら黒くて大きな「かたまり」が見える。
Σ(゜∀゜ノ)ノ Σ(゜∀゜ノ)ノ Σ(゜∀゜ノ)ノ
うわっ!! く、クマだっ!
木の上の黒い物体は、Pちゃんに負けないくらい、気持ち良さそうに眠っている熊さんだった。きっと木の実をお腹いっぱい食べて、眠ってしまったのだろう。
そういえば、クマって木登りが得意なんだっけ・・・
この辺の木の実は、美味しいって評判だからなぁ・・・
はっ! 冷静に分析している場合ではない!
もしや、Pちゃんの身に・・・?!!!!
ヤス先生、瞬間移動したのか?くらいのスピードで、Pちゃんのところに猛ダッシュ。Pちゃんを抱き起こす。
ヤ「はぁ はぁ・・・ぴー ・・おき・・・○△□×Z◎XX・・!!!」
もはや言葉にすらなっていない。
思いっきりガクンガクンと揺り起こされたPちゃん。ただでさえ寝起きが悪いのに、こうもシェイクされてはたまらない。もうろうとしながらも、なんとか目を覚まし
P「あれ? ヤス先生・・・。どうしたんですか? そんなに慌てて」
ヤ「く、・・・・く・・・・」
P「く? く? くるま? クルミ? くつ? クリスマスはいくらなんでも気が早過ぎますし…」
ヤ「くまじゃ! 熊がいるんじゃっ!」
P「へ? どこに?」
ヤ「う、う、上じゃっ!!!!!」
ヤス先生が指差す方向に視線を移すと、黒くてまるい物体が見える。
ヤ「な・・・」
P「は、はい・・・」
遠い目をして立ちすくむPちゃんとヤス先生。それ以外なすすべがない。
ヤ「ふぅ〜、危なかったのぅ。ほんのちょっとタイミングがズレていたら、思いっきり熊と鉢合わせになっておったぞ」
ヤ「イヤ、それだけじゃ済まんな。きっと喰われていたに違いない。お前は割と、旨そうじゃからのぅ」
P「いやぁ〜 やめてぇ〜(><)」
●思わぬ危険は日常の中に潜んでいる
はい。と、いうことで、ほんの少しの差で今回はことなきを得たPちゃん。 でも、どちらかが少し早く、どちらかが少し遅めに行動していたら、Pちゃんと熊さんは鉢合わせしていたことでしょう。
まぁ、鉢合わせしたからといって、必ずしも大惨事になるとは限りませんし、都会に暮らしている限り、熊に出会う確率も、ものすごーく少ないのですが、それでもゼロではありません。動物園から逃げ出す可能性だってあるし、隠れてペットとして飼っているお宅から、こっそり逃げ出すことだって、ないとは言い切れないのですから。
実際に今年の6月、神奈川県相模原で、ラーメン屋さんの入り口のドアに、熊がどーんと「体当たり」したというニュースがありました。人里離れたところならいざ知らず、住宅街(しかも近くに小学校もあり)での熊出没に、住民は心を痛めているそうです。
そうです。「まさか」は至る所に存在し、いつでも顕在化する可能性があるんです。
私たちはそのことを忘れているか、気づかないか、気づかないようにしているか、考えないようにしているうちに、本気で考えなくなって、ただの思考停止に陥っているだけなのかもしれないのです。
平和を絵に描いたようなここ、ピルツライヒでさえ、「熊と遭遇する」という危険が潜んでいました。でも、熊がどんな行動を取るかは熊の勝手ですから、私たちがどうこうすることはできません。熊的な諸事情もあるででしょうし。
従って、私たちができることは、次の3つ。
1)熊と出会ったらどうなるか?を、頭の片隅にでも入れておくこと
2)熊にで出会ったらどうするかを、あらかじめ考えておくこと
3)熊に出会わないように工夫しておくこと
まだ記憶に新しい秋田で起きた事件は、まさに最悪のケースとなってしまいましたが、今や「熊さんと出会う」のは、森の中でも、歌の中だけのことでもなくなっているのは事実です。
私が出会ってもおかしくはない。そんな風にほんの少しでも思うことが、「安全に暮らす」第一歩になるのではないでしょうか?
これからこのコーナーでは、日常に潜む「そんなバカな…(笑)」話を取り上げながら、安全ってなんだろう? 安全に暮らすって、どういうことなんだろう? ということを、改めて考えていきたいと思っています。Pちゃんとヤス先生と一緒に…。皆さんも一緒に同じ方向を見ていただけたらうれしいです。
<ヤス先生 今月の心の声>
平和な日々の中にも、何が起こるかわからないのが現実じゃ。 イヤ、その前に、我々は毎日が平和だと、闇雲に思い込んでいるだけかもしれないのぅ…
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