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2018年4月17日更新はさまれ・巻き込まれ事故はどのように起きてしまっているのですか?

日本の製造業で起きている事故で一番多いのが、はさまれ・巻き込まれによるもので、先月号の記事では、災害件数がなかなか減らず横ばい状態であるという現状をお伝えしました。挟まれ・巻き込まれ事故により、6日に一つの命が失われているという驚異のペース。4日間以上仕事を休まなければならなくなってしまったケースも含めると、毎日19人~21人の方が事故にあってしまっています。。。

そもそもどのようにして、はさまれ・巻き込まれ事故は起きてしまうのでしょうか?今回はその事例を見てみましょう。

まずは、こちらの動画をご覧ください。

「さぁてと、さっさと作業を片付けちまおう。」「ここを調節して、コレをここにセットして、と・・・」

この後、こちらのおじさんに悲劇が起こります。

<動画パート1>

<動画パート2>

(動画パート2はショックな映像が映りますので、苦手な方はお控えください)

 

きっとこのおじさんは、ワザと自分の指を機械に挟もうなんて思うはずもなかったですよね。おそらく「まさか自分が指を挟むわけない」と思いながら、いつものように冶具に手を添えていたのだと思います。

 

ピーちゃん
慣れている作業だと「いつもやっているコトだから大丈夫」と思ってしまうのかも…(涙) 

 

この作業、手で部品を支えずに行える方法はなかったのでしょうか。そしてこの設備は、たとえば調整や清掃などで手が冶具に触れている最中に、誤って機械のスイッチが押されてしまった場合には危なくないのでしょうか。

 

その他の実際に起こった事例を見てみましょう。

<製造業でのはさまれ・巻き込まれ事故事例>
  • 材料を投入したところ、材料が詰まってしまった。詰まりを取り除こうと機械の運転を止めずに、材料投入口から手を入れたところ、奥のフィーダーに手が巻き込まれ…。
  • お菓子の生地を作る作業が終了し、機械のローラーを回転させながら、手でローラーを清掃していたところ…。
  • 食料品小売スーパーの食肉加工で、お肉の種類を変更。スイッチは切ったが機械はまだ惰性で動いているのにも関わらず、肉片を落とす作業をしようと手をいれてしまい…。
  • 商品仕分け室のベルトコンベアの修理。通常かかっているカバーをはずして、コンベアを動かしながら作業をしてしまい…。
  • 製造工程で使われている運搬コンベアの接続部を修理中、別工程の作業者がコンベアを起動させてしまい…。その時メインスイッチは切られておらず、修理中という表示もされていなかった。
  • 旋盤での切削作業。回転している鉄棒への注油を行うため、近くに置いてある注油の容器を取ろうとしたときに、作業服の袖が回転中の鉄棒に巻き込まれ、手首を…。
  • 旋盤で回転する部品にヤスリをかけていたところ、軍手をはめていた手が巻き込まれ…。
  • プレス加工時に身体の一部が危険領域に。機械には自動停止するインターロックもなく、手の代わりの手工具も使用していなかったため、プレス機に入れた手は…。
  • プレスの金型調整。通常は材料が自動でセットされるが、調整中のため手作業で材料をセットした。すると機械が材料の着座を検知し、プレスが起動してしまい…。プレスを囲うガードは、加工状況が見やすいからと、以前より扉閉め確認のスイッチが無効にされていたため、扉が開いていてもプレスは動ける状態になっていた。

 

といった内容のはさまれ・巻き込まれ事故が、実際に起きてしまっています。

作業の手順書や安全教育はちゃんとあったのでしょうか?手順書や訓練・教育があったとしても、もしかしたら、人間側が「機械を止めるのは面倒だな」とか「このくらい大丈夫」と思ってやってしまったところもあるのかもしれません。あるいは、異常を見つけておもわずとっさに身体が動いて、機械に近づいてしまった、なんてことだってあるかもしれません。

 

ピーちゃん
・・・んんん?
つまり人間という生き物は、何らかの理由やきっかけがあると、ダメとわかっていても動いている機械に近づいてしまうことがあるのかも?!?!
ピーちゃん
もしそんな可能性があるのならば、人の身体が危ないゾーンには入れないようにしたり、万が一入ってしまった場合には、機械側は止まるようになっていないとダメだよね?!!!

「動いている機械」と「人の身体」が接触しないようにする方法はないのでしょうか。今後このシリーズの中でいくつか提案していきたいと思いますが、その前に次回は、これら「挟まれ・巻き込まれ」災害にかかわる安全衛生の法令について見ていきたいと思います。

 

(参考:厚生労働省HP、安全衛生情報センター資料)

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