2018年8月21日更新はさまれ・巻き込まれの災害防止につながる安全措置とは?~速度監視アプリケーション例
機械によるはさまれ・巻き込まれ事故を防ぐ対策として、ガードによる人と機械の隔離や、安全にガードロックを解除するときの停止監視が有効であることを前回・前々回の記事でお伝えしました。今回は、人がそばにいても危なくない速度にまで機械を減速し、機械が動くことを許可する「速度監視」のアプリケーションについてご紹介します。
その前に、はさまれ・巻き込まれ事故に関する以下のデータをご確認ください。中央労働災害防止協会(以下、中災防)発行の書籍「なくそう!はさまれ・巻き込まれ」(豊島 富三郎氏著)によると、製造業におけるはさまれ・巻き込まれ事故の発生率は以下の通りです。
- 災害発生率トップ(製造業の死傷者数の1/3)
- 重症発生率トップ(災害が発生すると四人に一人は障害者になる)
また、これらの事故は対策さえ講じていれば、防げたはずの事故だったことも、ぜひみなさんに知っていただきたいです(以下、中災防の資料「機械安全規格を活用して災害防止を進めるためのガイドブック」より抜粋させていただきます)。
知っていましたか?①
機械災害の約8割は構造規格やJIS規格などに基づくガードやインターロックなどの保護対策を講じていれば発生しなかった。
さらに、これらの対策を施していない機械の使用は、作業者だけでなく、事業者にとってもリスクがあるのです。
知っていましたか?②
- 構造規格に適合しない機械は譲渡や使用が禁じられており、労働基準監督署から回収を命じられることがある。
- JIS規格に適合しない機械はPL法などで賠償責任を問われるおそれがある。
機械が安全になることで労働者が安全に作業できるのはもちろんですが、メーカーや工事業者もPL法などで訴えられる不安から解放され、経営者のリスク回避の手段になります。
いかがでしょうか?もしまだ対策が十分であるかどうか不安な場合は、Pilzにご相談ください。この特集記事も参考にしていただければ幸いです。
それでは、本題の速度監視のソリューションについてみていきましょう。今回は技術サポート部の太田がPちゃんに説明します!
知っていましたか?③
はさまれ・巻き込まれ事故でもっとも多いのは手や指が挟まれるケースです。
ビデオのポイント解説
今回で速度監視アプリケーションの回は終了です。次回は予定を変更して、ある企業に編集部が取材にお邪魔し、「はさまれ・巻き込まれ事故防止」に役立つ安全の取り組みについてレポートする予定です。お楽しみに。
記事一覧
- はさまれ・巻き込まれ事故のその後
- EC自己宣言書って何ですか?
- 食料品製造業の死傷災害 ~平成25年の安衛則改正の効果は?~
- はさまれ・巻き込まれ事故に関するシリーズを終えるにあたり
- 「安全道場」訪問レポート
- はさまれ・巻き込まれの災害防止につながる安全措置とは?~速度監視アプリケーション例
- はさまれ・巻き込まれの災害防止につながる安全措置とは?
~停止監視アプリケーション例(後編)~ - はさまれ・巻き込まれの災害防止につながる安全措置とは?
~停止監視アプリケーション例(前編)~ - 「はさまれ・巻き込まれ事故」に関する法律や規則について教えてください。
- はさまれ・巻き込まれ事故はどのように起きてしまっているのですか?
- 製造業のはさまれ・巻き込まれ事故って減っているんですか?
- 協働ロボットとは何ですか?
- 「機械の包括的な安全基準に関する指針」とは?
- 国際規格のJIS化とは?
- ニューアプローチ指令って何ですか?
- EC指令とは何ですか?
- EN規格って何ですか?
- CEマーキングを表示するために必要なこととは?
- ヨーロッパの製品に良く見かけるCEマーキング。これって何?