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2017年1月18日更新「機械の包括的な安全基準に関する指針」とは?

「機械の包括的な安全基準に関する指針」とは、厚生労働省が2001年に公表した、「労働安全衛生法による規制」そして「すべての機械に適用できる包括的な安全対策」についての基準が定められている指針です。機械による労働災害を防止するための規定の解釈を助ける基準となります。

”指針”には、事業者側が実施しなければならない事項についての基準が定められています。同時にどんな法律なのかを正しく理解し、法律の拡大解釈を防ぐという意味意でも役立っています。法律の条文が難しくて内容が伝わらなかったり、誤解されて伝わってしまったら、意味がないですものね。ガイドラインとも似ていますが、”指示書”という意味よりは、”解釈基準”や”取扱い基準”という意味合いです。

この指針に含まれている「すべての機械に適用できる包括的な安全対策」ですが、これは、機械類の安全性についてを規定している国際規格「ISO 12100」を参考にしています。つまり、日本の労働安全衛生法と、国際規格の考えが組み込まれた指針となっています。

さて、この「機械の包括的な安全基準に対する指針」の目的ですが、それは「機械を作る側」そして「機械を使う側」が、この基準に沿って機械の安全化を図り、機械による労働災害を防止していくことです。

事故や危ない事が起きてからの対策実施ではなく、未然に防ぎ、労働者の安全を確保するための指針です。この指針には、保護方策についての具体的な方策が示されていますが、それらだけではなく有効な方策は行っていく必要があると、いうことがこの指針で求められています。

労働安全衛生法の2005年11月の改正では、機械安全に関する大きな変更点が加えられました。それというのが、「危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置の実施の努力義務化」です。つまり、改正が施行された2006年4月以降、事業者は設備機械の設計・製造・改造時に【①危険個所を洗い出して(=リスクアセスメントの実施)】【②その危険を低減する措置(=リスク低減の実施)】を行う努力が求められるようになったということです。

そして、この「機械の包括的な安全基準に関する指針」は、もともと2001年に策定されたものですが、この2005年の労働安全衛生法の改正に伴い、2007年に全面的に改正されました。そこで、労働安全衛生法での改正点(リスクアセスメントとリスク低減措置の実施への努力義務)と、国際規格ISO 12100の最新の知識を踏まえた内容となりました。

努力義務とはいえ、安全衛生管理面での職務として含まれています。事故があった際には安全配慮義務の違反として事業者の責任は問われることになるでしょうし、いまは努力義務であっても、いずれ“義務”規定へと変更される可能性もあります。いまは「これまで事故は起きていないし」と高をくくっていても、いずれ義務化され、しかもこれまで未対応だった設備すべてに対応しなければ…、なんてことも起こり得るわけです。

それに、すべての設計・製造が終わった後で、その機械に危ない箇所が見つかった、なんて場合には、そこから行う改修や安全対策にかかる時間もコストも、とっても勿体ないですよね。。。

リスクアセスメントもリスク低減の措置も、職場の安全性を更に向上させるための大事な取組みです。努力義務化されてから、もうすぐ10年が経ちますが、今後も労働災害を減らしていくために、必要とされる法や規格の整備は進んでいくことでしょう。

 

ピルツジャパンは今年の3月28日に、機械安全に関するセミナーを行います。そこでは、本記事でも出てきました”リスクアセスメント”や”リスク低減方策”などについてもお話しさせていただく予定です。

どのように実施していけばよいのか? 求められている実施事項の詳細とは? などなど、ご興味のある方は是非ともお越しください。

いわなが
またピルツジャパンでは、機械安全やリスクアセスメントについてのご質問やお問い合わせを、いつでもお受けしておりますので、お気軽にご相談ください。

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