ピルツジャパンのブログ「月刊 裏ピルツ新聞」

2019年8月21日更新レコード

 どうも~アラフィフおやじです。

 今日はレコードに関する話です。

 アラフィフおやじが高校時代に初めて買ってもらったオーディオコンポにはCDプレーヤーはついておらず、レコードプレーヤーが標準でついていました。CDプレーヤーが世の中に普及し始めたのは80年代後半らしいですが、高校時代はまだまだレコードが主流という感じでした。

 高校時代、軽音楽部に入ったのをキッカケにアラフィフおやじはエレキギターを始め、「ヘビメタ」音楽にどっぷりとハマることになりました。キッカケは高校1年の時に友人が貸してくれた「アルカトラス」というバンドのカセットテープでした。

 アルカトラスというバンドはあの大御所バンド「レインボー」のボーカルだったグラハム・ボネットが作ったバンドで、当時無名だったスェーデン人の天才ギタリスト「イングウェイ・マルムスティーン」を起用したことで話題になりました。当時私はそういった先入観を全く持たずにこのカセットテープを聴いたのですが…初めて聴いたとき、正直かなりの「衝撃」を受けました。速弾きのテクニックが正確無比な事に加え、音楽的にもアーティキュレーション的にも極めてレベルの高いギタープレイがスピーカーの間から洪水のように溢れてくるような、そんな衝撃でした。

 その日以降、なんとかこの「神の領域」のようなギタープレイに少しでも近づくべく、アラフィフおやじとギターとの格闘の日々がスタートしました。中2からフォークギターを弾いていて、それなりにギターには自信があったものの、エレキギターは全くアプローチが異なるため、ほとんど初心者のようなレベルなのに…イングウェイのプレイなぞ良くコピーする気になったと思います。しかし、「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったもので、ティーンエイジャーだったアラフィフおやじはその後メキメキと腕を上げ、高校2年の文化祭のステージでは当時「難曲」と言われた「Jet to Jet」という曲をバンドでコピーし、披露するところまでこぎつけました。今考えてみても、高校1年から2年に至る約1年間が今までの人生で最もギターに集中して取り組んだ1年だったと思います。それこそ学校から帰ったらすぐギター、土日は一日中ギター、みたいな感じで、一日5~6時間は平気で練習していたと思います。そりゃ上手くなりますよね。

 高校3年になると、いよいよ受験、ということでフツーに考えるとギターはしばらくお休みして代ゼミに通って勉強に集中、ということになろうかと思いますが…同じ高校から何人も同じ予備校に通っていたのでは緊張感が無くなってしまい、現役合格は厳しいと判断し、姉の知人の早稲田の学生さん(男性)に家庭教師になってもらうことにしました。姉によると、開成高校出身の秀才でロック好きのベーシスト、との前情報でした。家庭教師なのにヘビメタ好きという点が気に入りました。

 後日、家庭教師本人との顔合わせの場がセッティングされ、少し緊張しながら家庭教師の到着を待っていたのですが、「お邪魔しま~スっ」と軽い感じで入ってきた姉の友人は、頭はチリチリパーマのマレットヘア、かつカカトの高いロンドンブーツ、といういで立ちでおよそ早稲田の学生という雰囲気ではありませんでした。しかしルックスに反して非常に真面目なキャラの方で、現役合格に向けて頑張って指導いただけるとのこと。親も私も内心ホッとしました。

 家庭教師は週に1回、土曜日か日曜日の午後でした。家庭教師が来る日は夕方に親が御馳走を作って、皆で一緒に食事をするのが習慣でした。勉強の教え方はとても上手で、苦手科目だったハズの数学が一番の得意科目になるなど、それなりに成果も出ていましたが、高校二年まで全く勉強していなかったツケで、秋になるとさすがに「コリャ現役合格は厳しいかなぁ」という感じになってきて、私も家庭教師もお互い口には出さないものの「まぁ、浪人前提でよろしく」みたいな感じになってきました。

 家庭教師も私も音楽好き、楽器好きだったので、ある時から家庭教師はほぼ毎回ベースを持参してくるようになり、勉強が終わった後、食事の始まるまでの時間私のギターとセッションをするようになりました。誰の目から見ても当初の「なんとしてでも現役で!」という緊張感は希薄になり、私は正直言って勉強は半ばどうでもよく、毎週のセッションを楽しみにするようになりました。

 家庭教師は、自分の好きなバンドのレコードやカセットなどもちょくちょく持参してアラフィフおやじに聞かせてくれたので、この時期アラフィフおやじは急激に耳が肥え、高校三年であるにも関わらず音楽的に非常に充実した日々を送っていました。当然親は目が三角になってきて「そんなことでちゃんと合格できるの?!」とイライラした感じになってきたのですが、どこ吹く風という感じで毎週のように家庭教師はベースをぶら下げてレコードを数枚持参して週末になるとやってきました。

 そのうちアラフィフおやじは家庭教師の影響で「BURRN!」などロック系雑誌を毎月本屋で買って読むようになり、いろいろな海外ロック&ヘビメタアーティストの新譜情報などに物欲を刺激されるようになりました。当然のことながら地元の駅前の小さなレコード屋ではそれらのレコードは扱っていません。そこで、わざわざ都心まで出て行って、西新宿にある新宿レコードやディスクランドキニー、スタジオアルタの中にあったCISCO等々の輸入レコード屋に足しげく通うようになりました。タワレコもHMVも無い時代ですので、輸入レコードを買うのもなかなか大変な時代でしたが、いつもワクワクした気持ちで「西ドイツ盤」や「UK盤」などの「外国の匂いがする」レコードを買いに行ったのをよく覚えています。

 このように、かなりいい加減な高校三年生だったのですが、家庭教師の腕が良かったのか何とか現役で大学に合格することができました。しかし、大学時代はメディアの中心もレコードから徐々にCDに移行し、レコードは徐々に店頭から姿を消していったため、レコード好きの私は徐々にレコード屋からも足が遠のくようになってしまいました。およそ音楽的でない透明なプラスチックのケースに入っているCDは、従来の厚紙でできたジャケットとは比べられないくらいチープに見え、音源を所有する喜びが半減してしまうような気がしたのです。

 しかしそんなアラフィフおやじも、社会人になると世の中の流れに合わせてやむなくCDプレーヤーを買い、普通にCDを買う人生を歩むようになりました。そして、高校時代に集めたレコードは実家の部屋の戸棚に残されたまま、私とレコードは別々な人生を歩むことになったのです…。

 しかし、会社に入って25年が過ぎようとしていた3年前に転機は訪れました。「レコード」がまた脚光を浴びる時代が訪れ、いろいろなメーカーから安くて高性能なレコードプレーヤーが発売される時代が来たのです。特に「ION AUDIO」というブランドが出したレコードプレーヤーは、インテリアにもなじむオシャレなデザインで、1万円を切る価格なのにも関わらず、ちゃんとした音が出ると話題になりました。ネットや雑誌でそういった情報を目にすると、実家で長い間眠っていたレコードをもう一度聞いてみたい!という気持ちがムクムクと鎌首をもたげてきました。

 そこで、まずは実家にあるレコードを段ボールに入れて車で自宅に運んできました。自宅の戸棚はまるでタイムカプセルのようで、30年近く眠っていたハズのレコードは、劣化することなく当時のままの姿でした。プレーヤーは「ION AUDIO」の人気モデル「Archive LP」(図1)を立川のディスクユニオンで手配して…これでレコードを聴く環境が整ったことになります。

図1.「ION AUDIO」の「Archive LP」

 レコードプレーヤーを買って初めて聞いたアルバムは…ロックでもヘビーメタルでもなく、斉藤由貴のファーストアルバム「AXIA」でした(笑)。あまりゴリゴリの演奏よりも、レコードプレーヤーの品質をチェックするにはJ-POPの方がいいかと思って…。評判通り、1万円を切る値段にしてはとてもいい音がしました。

 しばらくは久々に訪れたレコードライフを楽しんでいたのですが、聴いているウチにだんだんと音の歪みが気になり始めました。ヘビーメタル、特に海外盤は元々音が歪んでいるのであまりに気にならないのですが、J-POPやアコースティックな音楽などを聴くとどうしても高音部の濁りが気になります。プレーヤーに付属する針もダイヤモンドでなくサファイヤのチップなので、元々高音の伸びに限界があり、最初はそれも「アナログの味」の一つとして楽しんでいたのですが…聴いているうちに「もっといい音で聴きたい」という思いが募ってくるんですよね。1万円もしないレコードプレーヤーにとっては酷な話だと思いますが…。

 ところが技術大国ニッポン、そういうところにも目をつける人がいるんですね。なんと、ION AUDIOのプレーヤー純正のサファイヤ針(図2)と互換性を持ち、音質がグッと向上するダイヤモンド針が発売されるという情報が!ネットニュースによると『 “音”が、針を変えるだけで“音楽”に変わる』ということらしく、コリャ買わにゃならんとAmazonで早速オーダーしました。

図2.ION AUDIOのプレーヤー純正のサファイヤ針

 「日本精機宝石工業株式会社」という真面目そうな名前の会社から出た「JICOレコード針 丸針88-4RB」という交換用針(図3)は、お値段的には2,480円というリーズナブルな価格ですが、純正の針とは全く違う次元の音が楽しめます。音の解像度が高くなり、プレーヤー自体のグレードがグンと上がったような錯覚を覚えるほどです。耐久性もサファイヤに比べると高いですし、「Archive LP」を使っている方には全員おススメしたいアイテムです。

図3.「JICOレコード針 丸針88-4RB」

 針を交換して音がグレードアップしたことで、アラフィフおやじのレコードライフは以前より充実したものとなりました。もちろんレコードプレーヤーの世界も上を見ればキリがありませんが、それなりに品質の高い「アナログレコードらしさ」を楽しむことができます。CDの精緻な音に疲れた時にアナログレコードのどこかしら温かい音は、とても新鮮に感じます。

 皆さんの自宅、あるいは実家にもレコードが眠っていないでしょうか?たまに昔聴いた音楽を聴きなおすのもいいものです。アラフィフおやじも高校時代に買ったヘビメタのレコードを今でもちょくちょく聞きますが、音楽が流れた途端に高校時代の実家の自分の部屋に戻ったような気分になります。レコードプレーヤーは確かに場所を取りますが、デザインも秀逸な「Archive LP」ならインテリアとして楽しむこともできると思います。

 是非、皆さんもレコードを聴いて「あの頃」へのタイムトラベルを楽しんでください。

記事一覧

ページの先頭へ戻る