ピルツジャパンのブログ「裏ピルツ新聞」

2023年6月21日更新新しいギター、買っちゃいました…

 どうも~アラフィフおやじです~♪

 ノリノリな感じでスタートしましたが…タイトルからお察しの通り、なんと新しいギターを買ってしまいました!なので、アラフィフおやじはとてもご機嫌です。

 

 以前こちらのコラムでも触れたように、アラフィフおやじは現在10本(アコースティックギター6本、エレキギター4本)を所有しており「部屋中ギターだらけ」という状況なのですが、この度11本目のギターが加わることになりました。…ということで今回はこの新しいギターについて語ろうと思います。

 「10本」という数字はある意味切れの良い数字かと思います。また、ギターの種類のバリエーション(スチール、ナイロン弦、フルアコ、セミアコ、ソリッドボディ等)から見ても現在所有しているギターでほぼ網羅しているため、なんとなく「これ以上ギターを買う事はないだろうな」と思っていました。そんなことで、たまに楽器屋にフラッと入ってギターを見る場合も「見るだけ」という習慣がすっかりついてしまっており、気を抜いたのがいけなかったのか…人って時には思い切った行動に出るものですね。

 ある土曜日、ウォーキングも兼ねて立川の多摩モノレールの線路沿いを歩いていたら、目の前に現れた「ららぽーと立川立飛店」になんとなくフラッと入ってしまいました。特に具体的な目的もなく、広い店内でそのままウォーキングを続行するような感じでブラブラしていたのですが…目の前に比較的大きな楽器店が現れたのです。

 正直言ってモール内に入っているようなこの手の楽器屋さんって、あんまり品ぞろえが良くなかったりするんですよね…なので正直全く期待していなかったのですが、とりあえずギターが並んでいるコーナーに行ってみました。すると、モール内の楽器屋さんの割に(失礼!)、他の楽器屋さんではなかなか見掛けないようなユニークなギターが並んでいるではありませんか。一番気を引いたのは「anuenue(アヌエヌエ)」という台湾のブランドのミニギター。通常アコースティックギターの弦の長さは630~650㎜あたりなのですが、このアヌエヌエのギターは弦長が610㎜ぐらい、ボディも通常のアコースティックギターよりも一回り小さい子供向けのギターのよう。見た目も可愛く、見たところ他に客もいなかったので店員さんにお願いして試奏させてもらうことに。ミニギターという事で、値段も普通サイズのギターよりも割安だったので、正直さほど期待していませんでした。

 ところが、実際に手に持ってみた瞬間にこの先入観は覆されることになります。小さいボディなのにしっかりとしたサウンド、さすがに低音は普通サイズのアコギに比べるとそこまで出ないけど、全然気にならないレベル。こうなってくると、ミニギターっていうだけでサウンド面では全くデメリットも無く、かつ弦長が短いことで弾きやすく、ボディも軽い、と欠点らしいところが見つかりません。やばい…これやばいヤツだ…。定員さんも「他のお客さん接客している間、ゆっくり弾いていて下さい」なんていうし…。気が付けばすっかり「購入モード」に入ってしまい、10分ほどして店員さんが近づいてきたときには「これください」って勝手に口が動いてしまいました。

 このアヌエヌエのギター、最近チラホラYouTubeなどで見かけるので正直少し気にはなっていたのですが、前述したようにミニギターに対する多少ネガティブな先入観もあったので、まさか自分が買う事になるとは考えていませんでした。しかし、アヌエヌエのギターはミニギターの割にサウンドも倍音豊かで表現力もあり、使っている木や塗装、様々なパーツなども普通サイズのギターと比べても全く遜色ないので、アラフィフおやじのミニギターに対する先入観はすっかり拭い去られてしまいました。

 アラフィフおやじが購入したギターは、日本人の著名なギター製作家である杉田健司氏の監修のもと、台湾で製作された「M88」(図1)というモデルです。ブランド名である「anuenue(アヌエヌエ)」はハワイ語で「虹」を意味し、主にウクレレを手掛けるメーカーとのこと。そのためギターのヘッド部には虹に加えてウクレレ発祥の地に敬意を表した「ペトログリフ(古代絵文字)」(図2)を表したブランドマークが刻まれています。

図1 アヌエヌエM88

図2 ヘッドの虹とペトログリフ

 アヌエヌエは近年ではウクレレに加えてミニギターや普通サイズのギターのラインナップなども充実していますが、「M88」はウクレレに良く使用される木目の美しい「ハワイアンコア」を使用しており、硬質でくっきりとしたサウンドが特徴です。また、カラーリングは最近のモデルでは珍しい「アイスティーバースト(外周の色が濃く、内側に行くにつれて薄くなる塗装で、チェリー色の塗料が退色してアイスティーのような色になったものを再現したもの)」(図3)を採用しており、魅力的な外見となっています。

図3 アイスティーバーストの塗装

 アラフィフおやじが気に入った外見的なポイントは、ギターの外周を取り巻く「バインディング」と呼ばれる縁取りに「マホガニー(センダン科の広葉樹)」(図4)を使用していることです。通常ギターのバインディングにはセルロイドなど樹脂系の材質が使われる事が多いのですが、バインディングに木目の美しいマホガニーを使う事で外見の高級感がアップしています。また、片側に寄ったユニークなレイアウトのサウンドホールを取り巻く「アバロン(アワビの一種)」(図5)がボディの塗装やマホガニーのバインディングとマッチして高級感を感じるデザインとなっています。

図4 木製のバインディング

図5 サウンドホールの貝の装飾

 また、サウンド面のポイントとしては、前述したようにサイズの割に豊かな低音が出る事に加え、硬いコア材特有の「倍音(原音より1オクターブ上や、更にその1オクターブ上の付帯音)」の響きが低音から高音までリッチに響くので、単音でソロなどを弾いてもサマになる、という点が挙げられると思います。「倍音」はギターのサウンドを特徴づける重要なファクターですが、このギターは原音と倍音のバランスが絶妙で、とても魅力的なサウンドであると感じました。

 プレイアビリティの面については、本来ミニギターは多少演奏しにくい(右ひじをボディに固定できない)傾向があるのですが、このギターはボディの厚みは普通サイズのギター並みにあるので、小さいながらも右ひじで比較的ホールドしやすくなっています。

  これらの事から分かるように、アヌエヌエのM88は、外見とサウンド、プレイアビリティ、ついでに言えば可搬性(軽い!)など、あらゆるファクターに対して妥協せずに作りこまれた極めて優秀なギターであると思います。価格は「そこそこ」(10万円をちょいオーバー…)するものの、ある意味非常にコスパの良いギターと言えると思います。

  ちなみにこちらのギター、なんとピックアップ(マイク)を2系統(ピエゾ・コンデンサ)内蔵しており、アンプを通したサウンドも生々しくていい感じです。正直、最近はこのギターを弾く機会が一番多くなっており、弾いていて楽しい「相棒」のような存在です。今後はライブなどでもドンドン使ってゆきたいと考えています。

  しかし、11本ってメチャクチャ中途半端な数字ですよね。あと1本買えば12本(1ダース)ってことで少しすわりが良い本数になるかな…などと不埒な事を考えているアラフィフおやじでした。

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