ピルツジャパンのブログ「月刊 裏ピルツ新聞」

2021年9月15日更新モノの見方・考え方を一考する ~本:“どうせ死ぬから言わせてもらう”から~

“どうせ死ぬから言わせてもらう”著:池田晴彦 早稲田大学名誉教授(TOPPOINT JUL.7)以下文責:古澤

 今回は、安全活動とは少し離れますがモノの見方?考え方について考えさせられた本の紹介をしたいと思います。現代社会は、常に多くの情報が飛び交っています。常々、マスコミの報道の仕方やテレビの週刊誌化、SNSの誹謗中傷などの過激化などに違和感を覚えていることもあり、興味深く読みました。皆様も一つの物事を多方面から考えてみるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?

 

1.国のトップ交代 ~真実はどこに~

 原稿を書いているさなかに“総理退陣”のニュースが入りました。総理の地盤である地元の人たちが“押せない”と言っているというニュースを読んだときから“あるかも”と思っていたので驚きはありませんでした。真実は解りませんが、コロナ禍でのメッセージが国民の気持ちに届かなかったこと、言動の不一致などの課題がクローズアップされ、政治に対する不信感が増加し支持が低下したことなどがご自身を追い込んだのだと思います。難局を乗り切るためには、トップ交代はどの組織にもあると思います。コロナ変異株は待っていてくれません。まだ2-3年はコロナとの戦いが続くのかもしれませんが、少しでも“明かりが見えてきた”といえる日が来ることを待ち望んでいます。

2.「タイトルにびっくり!」 ~見出し・小見出しは大切~

 “どうせ死ぬから~”というタイトルは、皆さんもエッ!と思われたのではないでしょうか。社内報づくりでも私たちの講義でも同じだと思いますが、短い言葉で(できれば10文字以内が私のポリシー)印象に残るキーワードは大切と考えてきました。週刊誌や一部SNSなどのような内容と全く違うような興味を引くだけのタイトルはいただけませんが‥‥。私事で恐縮ですが(いつものこと?)私の話を聞いた感想として「大切なキーワードをたくさんいただきました。もっと知りたくなりました。元気になりました。」というありがたい感想をもらうことが多くあります。相手の困っていることに思いをはせて実態に即した事例などから出た言葉は相手に届くのだと思います。

3.「多様な意見」を聞く大切さ

 ある本に「少数の優秀な人々の意見と、バラツキのある数多くの人々の意見は、どちらが正しいのだろうか。驚くべきことに、答えは後者だ」とありました。この言葉の奥はとても深そうで詳細の理解はできませんが、少し趣旨が違いますが私の経験を紹介します。労働組合役員の時の出来事です。カレンダー設定の時、夏期連続休暇をいつにするかを議論しました。従来、8月のお盆を中心に10日程度設定してきました。各地から出てきた人が多かったこともあり、お盆に帰省すると言うことを主眼において決められてきました。しかし、夏期休暇は「最も暑い7月末からとすべきではないか」という意見が出たため議論することになりました。「それも一理ある。生産活動も大変な時なので良いのではないか」などの変更案賛成派の意見も強く、会社との協議の結果7月末からの夏期休暇に変更しました。ところが実施されてからは、「何という変更をしてくれた。帰省する意味が分かっていない」などの反対意見が噴出。結果として一年だけのカレンダーとなり、元に戻すことになりました。そのときの教訓は、「リーダーは声なき声を聴け」でした。今のままで良いという人は声を上げずにいたのです。このことも問題なのですが、一部のもっともと思わせる強い意見に対して言えなかったのです。多様化した意見を聞くことは時間もコストもかかりますが、リーダーはこの努力・プロセスを大事にしなければならないと思います。最終的に決定するのはリーダーです。多くの経験と知識を持っているリーダーが多くの意見を集約して決定すれば良いのです。決定したことにはまず全員従ってやってみることで、反省と修正はその後ですれば良いと思います。このプロセスを省くと教訓が何も残らない可能性があります。

 パラリンピック開催の可否はさておき、パラリンピックに出場している選手の努力の過程やサポートしている人たちの力など素晴らしいと感じています。より一層“多様性”について考えさせられる大会・機会になったことは事実だと思います。

4.「なぜ、下級国民は従順なのか」(著書本文のまま)

 池田氏は、著書で「日本の総合力は世界30位」「日本は形式的には民主主義国家だが、実質的には民主主義国家から落ちこぼれている」と表現しています。かなり衝撃的な表現ですが、思うところもあります。「最近の政権は、富める者はますます富み、貧乏人はますます貧乏になる政治システム」「それなのに多くの下級国民はなぜ選挙で鉄槌を下さないのか。大手メディアの宣伝にだまされている、考える能力がないほど馬鹿である」と手厳しい。多くの国民も思っていることだと思うが、無力感を持つ人も多くなっていることが日本の将来を不安視させています。「香港や韓国では、大勢の人々が、政府の政策に賛成するにせよ、反対するにせよ、身を挺して政治を変えようとしている。日本の国民だけが政治的無関心を決め込み、政治的退廃と経済的衰退を座視している」とあります。ではどうしたらよいのか?難しい課題です。学校教育、家庭教育、マスコミ、政治家などそれぞれがもっと真剣に考えなければ、明日の日本は暗く、手遅れになる可能性もあります。各自が行動(少なくとも投票行動はすべき)すべきとは思いますが、根が深い問題ですが、一人ひとりが考えていくべきテーマだと思います。

5.「人為的温暖化説のウソ」(著書本文のまま)

 「国民の感情をつかむ方法は、環境、健康、安全に資すると一般に広く信じられていることに反対する人をバッシングすること。これで最も成功したのは、“人為的温暖化説”であろう」「この説を支持するエビテンスは乏しく、気候変動は自然現象であるというエビデンスは多い」とあります。「マスコミは危機を煽る科学者の声だけを取り上げて、反対意見の声をほとんど無視しているので多くの人が信じるのも無理はない」「実のところ人為的地球温暖化論者は金まみれなのだ」「不幸なことに気候変動を予測する研究は、科学と言うより、ほとんど政治になってしまった」「気候変動予測は、コンピューターのシミュレーションで行うため、パラメータを少し変えるだけで予測値は大きく変わる」「企業は、CO削減のための措置を国が義務づければ、新しい市場が芽生え儲けることができる」「都合の良いデータを発表した科学者には潤沢な研究費が流れる」という流れで説明しています。なるほどと思いました。

 地球46億年の歴史、絶滅と進化の歴史の中にあって、人生80年はあっという間の出来事であり、40℃近くになった夏の気温も、大雨が続いたことなど地球規模で俯瞰してみたときには、些細な出来事かもしれない。しかし、私たちは目の前のことへも知恵を出して対処していかなければならない。実に悩ましいが、私たちはもっと、できるだけ幅広く、多くの情報を得つつ行動をしていかなければならないことを考えさせられました。

6.「ポジティブ思考の大切さ」

1.パラリンピアンの人たちの言葉

 モノごとには、二面性があり、良いことも悪いことも混在していることが多いと思います。個々人がどちらに重きを置いて考えているかが人生を豊かにするか、しないかの分かれ目のような気がします。

 簡単に言える言葉が見つかりませんが、パラリンピックの選手は、事故などで人生のどん底を味わった人が、私のような凡人には想像できない努力・鍛錬のプロセスを経てパラリンピックの舞台に立っています。選手が試合後に話すことばには、世界の舞台に立っているという自分に対してポジティブで自信に満ちあふれていたこと、合わせて常にサポートしてくれた人たちへの感謝の気持ちがあふれていることなど、聞く側の人間に訴えるものがある素晴らしいスピーチばかりでした。素直に前向きな気持ち、感謝の気持ちを表せることはいいことですね。私自身、気持ちがリフレッシュされたように感じました。

2.前向きな感情は、幸福を生む

(著:「ポジティブ心理学」小林正弥 千葉大学教授 TOPPOINT AUG.2021)

 「様々な調査・実験により、明るい気持ち、前向きな気持ちが健康に良い影響を及ぼすという因果関係が明らかになっている」「ある調査で、ポジティブ感情が高かった上位4分の1と低かった下位4分の1を比較すると、85歳時点での生存率が前者で90%、後者が34%、平均寿命で9.4年の差があった」と紹介されています。ポジティブ感情を高める一つの方法として「寝る前にその日を振り返り、自分にとって良いことを3つ考えて書きとめ、そこで自分が果たした役割を考える。それを一週間行うことで幸福感が6ヶ月にわたって増すことがわかった」とあります。一度試されて、今以上にポジティブな思考回路ができるように努力してみるのも良いと思います。

 

※ 世の中で起きていることは様々ですが、ニュースはどうしても災害、不祥事、コロナのような暗いニュースが多い気がします。「善行はニュースにならず」なのかもしれませんが、自分自身の人生は、常に明るく前向きに捉えつつ“い(生・行)きたい”ものだと思います。

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