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2023年12月20日更新コミュニケーション力向上の心構え

 「話す」「笑う」と言う行動は、動物の中でも人間だけが持つ特殊な能力と言われます。しかし、「私は話すのが苦手」「口下手」などのように言う人も多い事も事実です。安全活動指導時のグループディスカッションなどで「コミュニケーション力の低さ」という課題が必ずというくらい出てきます。どういう視点でやれば良くなるのか。「安全活動の実践論者(自称)」として経験してきたことから思いつくまま書いてみます。専門書や指南書のようなものが多く出回っているので論理的な話しは、そちらで学んで下さい。経験則を書きますがおそらく多くは共通していることと思います。

1.“コミュニケーション”って何?

スマホで調べると「気持ち・意見などを、言葉を通じて相手に伝えること」「互いの考え方や気持ち、価値観を伝え合うこと」などが出てきます。仕事での会話、友人との対話、恋人との意思疎通など日々皆さんが実践していることなのになぜ難しいのでしょうか?一言で人を好きになったり、嫌いになったりするのも言葉です。事実私も言葉で何度も失敗した経験があります。その経験の積み重ねで多くの人と相互理解できる“会話力”が身についたのかもしれません。奥が深い分野だとも思いますがもう少し気楽に考えても良いかもしれません。

2.大切にしてきたこと‧‧‧ 伝え方・受け止め方

① まずは、「きれいなことば、流ちょうなことば」でなくても「自分のことば(方言・なまりがあっても)」で話すこと。話す側も気楽だし聞く側もリラックスすると思う。
② 相手の気持ちをくむこと。自分本位で話し続けると言うことは避け(自信はないが‧‧‧)、相手にできるだけ話してもらえるように「問いかけること」で相手が何を考えているか気づく努力は必要です。安全巡視の大切なキーワードとして指導に使っています。答えを全て言ってしまうのではなく、「こういうことを知りたいけど」と少しヒントを入れつつ投げかけることで相手から気持ちや考え方を引き出す努力をすることは大切だと思います。
③ 相手のことばを「受け止める」こと。絶対に否定をしてはいけないし私は、よほど食い違わなければ「なるほど。そう考えてるんだ。わかる。」など肯定的なことばをまずは発します。この人は、私の話を受け止めてくれるという信頼関係をつくることは基本だと思います。表現力が不足している相手の場合、受ける側が何を伝えたいか、言いたいかを理解する能力をつけていく努力も必要だと思います。場の雰囲気や、相手の立場などから推察して「こういうことが言いたいんだな」と感じ、そして問いかけをしていけば必ず深まっていくはずです。
④ 前向きなことばづかい。声の明るさや元気、笑顔も必要だと思います。相手は鏡です。明るい雰囲気であれば必ず明るい会話になっていくと思います。顔・目を見て話すことで真剣さを伝えることも大事です。(書類やスマホを見つつとかは禁物です。先日、レストランで一才くらいの子供にタブレットで動画を見させている若い夫婦がいました。食事が目の前に来ても子供は食べずにタブレットに夢中です。両親はさっさと食事を済ませましたが、その間話しかけることもなくです。子供のためにもならないし、家族で食卓を囲む楽しさを教えていかないと将来が心配になります。コロナ禍では、学校の給食も黙食でした。コミュニケーション力の低い子供が増えるのが心配です。)
⑤ 結論・要点から先に言うこと。これは、相手に聞く準備をしてもらうこと、興味を持ってもらうために大切だと思います。日本語の悪さ?ですが長々と話した後に結論が出てくる話し方は、相手は途中で聞く耳を塞いでしまっているかもしれないのです。わかってもらおうと100点を狙うよりは、60点狙いで良いと思います。100点のつもりが0点になっているかもしれません。
⑥ 「一緒になって考える」と言う姿勢を示すこと。同じ土俵に立たなければ、相互理解は深まりません。このことばは、魔法のことばだと思います。子供でも、社会人でも自分のことに関心を持ち、一緒になって考えてくれることは何より心強いことだと思います。(夫婦間の会話を聞いていた子供が、お父さんとお母さんは話しがつながっているようで内容がずれているよね。と言われたことがあります。微妙なところですが長い年月を経た関係のコミュニケーションの“一手段”?)

. うまくいかないのは何かが足りない

① “一方通行”コミュニケーションになっている

 最初は、聞く努力をしていても次第に「一方通行」になっているケースが多く目につきます。肩書きや、立場で“マウント”をとりたい性格の人は良くこの落とし穴にはまります。仕事を円滑に進めたいはずなのに結果的にチームワークづくりにもつながらないし、成果にもつながりません。私は、ある災害が発生したときに、「“相”方向コミュニケーション」を対策のポイントとして展開したことがあります(今でも大切にしています)。あえて「相手の“相”」を入れたのは、上意下達の方針は有効ではないと感じたからです。現場目線で相手の立場で考え、会話して初めて本音が聞き出せます。「言ってこい」と言う待ちの姿勢では、本音は絶対に出てきません。

② 「報・連・相」を言うだけの上司

 私は、「報・連・相」は、上司からやるものと考えやってきました。上司が「報・連・相」を自ら実践しないのに部下からするはずが無いと思っています。「受け皿」となっていない問題も含まれます。「言ったところで“天に唾”だ」と思っている人たちが本当の問題を言うわけがないのです。まず、受け止め、上司自らが提案などに対して行動する姿勢を示せば、反応が違ってきます。「信頼関係」ができていないのに真のコミュニケーションは成り立っていかないと思います。

③ “愛情”のないことばは相手に響かない

 いくら美辞麗句を並べたところが、本気で相手のことを理解して良くしていくという考え方のない人が言うことばは相手の胸を打ちません。腹落ちしません。日頃からの言動の積み重ねが必要なので日々真剣に向かい合い、ことばを発していかないと駄目だと言うことです。

④ 情報キャッチ力が弱い

 「森を見て木を見る。木を見て森を見る」と言う習慣を大切にしようと言っています。話の内容がどこを向いているのかと言う判断が必要な場合があります。経験者が常にこういう目線・考え方を持たないと大切な情報を逃してしまいます。これも難しいことですが、意識することでできるようになります。相手(部下)が言ったことばを一対一で受け止めてしまうと間違った方向に行くことがありますので要注意です。「小さな気付きが大きな成果」につながります。管理者は「あるべき姿のもの差し」を持つことです。これがないと見きることはできません。

⑤ 抽象的なことばの連発

 政治の世界が良くない姿勢を示しすぎだと思っています(多くの人が見ているわけではないかもしれませんが‧‧‧)。国会での議論が全くかみ合っていないのは具体性がないことばの応酬だからです。真剣に国民のこと、日本の将来のことに対して愛を持って語っているのでしょうか?保身のためとしか言いようのない聞きたくもない会話が多いです。経営者・管理者がそれを真似してはいけません。少なくとも自社の中では「具体的表現」を心がけてほしいです。また、「短いことばで表現(私は、10文字以内で表現することを推奨しています)」分かり易さは大切です。災害発生時の対策も多くて3項目(具体的な表現で)で良いです。何が足りなかったかと言う発想で考えればそれ以上は不要です。

⑥ 対面でのコミュニケーション不足

 コロナ禍でオンラインでの打合せや、在宅勤務が増え、講演でさえオンラインでやるようになっています。しかし、対面に勝るものはないと多くの人たちが感じているはずです。時と場合によりますが、コミュニケーションは対面が基本です。人づくりにつなげる教育は、対面が最も効果的だと思います。管理者が現場へ行かなくなっています(あるアンケート調査では17%/日程度しか現場に行っていない)。もっと現地現物での実践が必要です。子供はオンライでは育てられません。

 

  • 難しいテーマであり、永遠の課題かもしれません。誰も反対しない「命を守る活動」である安全をテーマに是非、コミュニケーション力を向上していく努力をしてほしいと思います。必ず元気な人と職場づくりにつながっていくと思います。良い年をお迎え下さい。

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