2017年5月24日更新1年間を振り返って ~現場目線からの提案と報告~
1.読者に感謝
ブログに記事を書き始め1年が経ちました。
どういう反応をしてくれるだろうかと、おそるおそる時の話題の提供や先取り提案をしたつもりです。事務局からの情報では、ブログそのものの読者が増え続けていて、その中で私の記事も読者を増やしていると聞きました。毎月、締め切り日に一気にアイディアを文章にしていますので時々、文脈も怪しい点があったかと思いますが、そこは、読者の広い心で受け止めてもらっています。
時々、仕事で会う人に「楽しみにしています」「ファンになりました」などと言っていただくこともあり、木にも登る気持ちになり(いたって単純です)、またがんばって書こうかなと思って続けてこられました。感謝です。
そこで、読者の方にお願いがあります。「もっとこういうテーマで書いてほしい」とか、「以前のテーマのもっと深掘りをしてほしい」などの声を聞かせてください。私の経験から話すことは多く持っているつもりです。私の眠っている知識を目覚めさせてほしいと思っています。
よろしくお願いします。
2.人生の出会いと実践へ向けての考え方
私の講演や現場指導を受けた人から、「すごく勉強になった」「わかり易かった」等という声と共に「実践しようと頑張っているがなかなか思うようにならない」と言う声も聞きます。私の師匠の一人(勝手に言っているだけですが‥)に故・黒田勲先生がいます。先生が設立された「日本ヒューマンファクター研究所」のモットーとして次のような言葉を述べられていました。
むずかしいことを |
やさしく |
やさしいことを |
ふかく |
ふかいことを |
おもしろく |
いつも人間を愛しつつ |
私が現役の頃、「やさしいことを むずかしく話す」ことで格調が高くなり、論文につながると思ってはいないかと感じさせる講演がありました。何の意味もないなと思ったことを覚えています。
私が考えてやっている活動に自信が持てない時でしたが、東京で初めて講演をさせてもらった時に、黒田先生と出会い、先生に「それで良い」という裏付け(リップサービスだったかもしれないが、褒めていただいて)をしてもらいました。それ以降、自信めいた気持ちが芽生え、更に良い活動に結びついたことを思い出します。
そして、数年経ったときに先生から「今度、シンポジウムをやるが話をしてくれないか」と声をかけていただいて「是非私の”卒論”を聞いて下さい」といって、同じ舞台でパネルディスカッションをやらせてもらいました。
まさに人生は出会いです。それからも多くの先生や企業の方々と出会い、良いお話しを聞き、経験をして自分の身につけてきました。読者の皆さんも、すぐに出来ないからとあきらめることなく、自分が正しいと思うこと、あるべき姿を持ち続け実践していってほしいと思います。
人は、行動して体験してこそ知恵がつきます。話を聞いただけ、ビデオを見ただけ、本を読んだだけでは身に付きません。ゴルフを楽しむ人も多いかと思いますが、本を読んだだけでシングルプレーヤーになるのだったら、何も楽しくないように思います。
私は、テニスを長いことやってきました。始めた頃に元デ杯(デビスカップ)候補選手や日本のトッププレーヤーに教えてもらう機会に恵まれました。しかし、指導する人の言葉は分かるが、なかなか実践出来ないことが多かったです。しかし、練習や試合を重ねていく過程で「あっ!」と言う感覚になり、いとも簡単にできるようになったことも多かったと思います。
つまり、頭でも考えることも大事ですが、身体を使って継続していくことが、「あっ!」に結びつくということを体験しました。
そして、ローカルですが、チャンピオンになったこともあります。リスクアセスメントでもすぐには、100点は取れません。まず10点でも20点でも取ることを続けていくことです。そしていつの日かその経験が積み重なり、目標に届くことがあると思います。
私の人生経験の一端を書きましたが、「すぐにできることなどは誰でもできること、人のできないことに挑戦してやり続けることが、半歩先・一歩先の活動に結びつくのだ」ということを持ち続けてほしいのです。
このブログが、皆様に少しでもヒントになって、その方向を示せているのであれば嬉しいです。
「事件(災害)は現場で起きているのであって事務所で起きているのではない」「現場の人がケガをするのであって、管理者がケガをするのではない」現場の人が、理解しやすいようにどのように話したら良いのか? 悩んでほしいと思います。
黒田先生の言葉をかみしめて欲しいです。むずかしく言うのではなく、やさしく、そして深く、そしておもしろく、最も大事なことが「人への愛情(ケガをしてほしくない。良い仕事をしてほしい。成長してほしいなど)」です。
ここがしっかりしていれば、相手に伝わると思います。是非、あきらめずに続けていってほしいです。「あっ!」と言う感覚を感ずるまで‥。
3.経験こそ力なり
私は、大企業で安全スタッフをやったときも、小規模事業所の役員をやったときも、指導させていただいている多くの企業でも、惜しみなく持っている知識・経験を教えてきました。中には、「自分の経験は財産だから人には教えない」という人もいます。そんな内容はたいしたことはないのです。ドンドン教えてもすぐにはできません。それは、京セラの稲盛さんがJALに残してきた言葉「考え方×能力×情熱=結果」に現れています。
「考え方」がマイナスの人は、結果は火を見るより明らかで、マイナスの結果しか出てこないのです。T社のDNAのひとつに「教え教えられる風土」と言う言葉があります。ここが企業の強さ、現場の強さの秘訣でもあると思っています。
知識はドンドン吸収しましょう。それを生かせる機会をつくっていきましょう。未知の世界へ踏み込めば失敗もあるでしょう、「失敗はそのままにしたら失敗で終わるが、活かせば教訓」と言われます。失敗をしてこそ人の気持ちが分かるのではないでしょうか。
私は、失敗を山ほどしてきました。それだけ挑戦をしたと言うことでもあり、失敗以上に得ることが多かった、ムダなことなどひとつもないと言える現在の自分がいます。そして人に優しく接することが出来るようになったと思っています。
つまり、「経験」が大切だと言うことです(チョット格好つけすぎですね)。しかし、「経験」は、自分が実践しない限り身に付きません。人に教えられることではないのです。だからこそ、知識はドンドン教えていき、経験をさせることで人は育つのではないでしょうか。
時間が必要です。だからこそすぐには追いつけないとも言えるのです。常に前向きな「考え方」を持ってやっていれば必ず良い結果につながります。あきらめずに挑戦しましょう。
4.「現場目線の活動」をベースにこれからも情報を提供
どこまで続けられるかは分かりませんが、今の活動を続ける限り、「現場目線」と言う考え方の軸がぶれないように伝えていきたいと思います。
私は、安全スタッフ1年目に経験した大変悲惨な重篤災害を、2度と起こさないために”執念”を持って活動を続けてきました。結果は誰にも分かりませんが、私としては何十人の、いや何百人の命を救ってきた、悲しい災害に遭わない人をたくさんつくってきたと自負しています(誰も言ってくれないので自分自身でそう思わなければこの仕事はやっていけませんから‥)。そして、多くの現場を強くしてきたと思っています。
「企業の強さは現場の強さ」です。安全衛生活動が企業体質の強化や現場の強さ向上、人づくりにつながらないのでは、やっている意味がないと思います。安全衛生活動を進める読者(同志)の皆さんと、これからも、多くのことを共有化できて、更なる進歩を感じられることを私自身も期待しています。
ご意見お待ちしています。
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