ピルツジャパンのブログ「月刊 裏ピルツ新聞」

2018年2月21日更新第18回SNJ総会開催

 

去る2月16日(金)、17日(土)、静岡県伊豆市に於いて第18回セーフティネットワークジャパン(略称SNJ)総会、第87回定例会が同時開催されました。今回は本年度より入会された個人会員3名と見学者1名も参加し、新しいことが始まりそうな気配を感じる会になりました。総会で自己紹介、事務的な話し合いが行われた後、定例会へと切り替わり、当ブログでも人気の古澤先生にバトンタッチされました。

SNJ定例会での登壇は今回で最後となるかもしれない古澤先生の講演タイトルは「最悪の事態を想定した安全活動の深堀り」~品質問題と安全活動の関連性を考えてみよう~。今回も豊富な時事ネタ、参加者に合わせた語り口で参加者は古澤先生の世界にグイグイ引き込まれました。今回の講演のポイントをいくつかご紹介したいと思います。

最近思うように労働災害が減らない理由の1つに「中間管理者教育の不足」があります。安全活動では結果も大事ですが、プロセスが大事。現場はいい仕事をしたいと思っているのだから、その人の持っている能力を引き出せばよい、という言葉が印象的でした。現場の人の能力を引き出せる中間管理職を育てる教育が不足している、と言う鋭いご指摘の後、具体的な例が示されました。

たとえば、中間管理職がリスクアセスメントを現場に丸投げし、重篤な災害の洗い出しに漏れが生じているケースが見受けられます。また、管理者側の「どうしたらケガを防げるか」と言う未然防止に対する考えが甘かったり、設備対策を実施するのみで機械安全を語れない指導者が増えている点などが指摘されました。何のための対策なのか指導者が理解していない活動では十分な効果は期待できません。

また、管理者の現場とのコミュニケーションについてもアドバイスがありました。一方通行ではなく双方向のコミュニケーションが必要であることや、「相手の立場・目線」で考える、名前を呼ぶ、答をすぐに言わない、など具体的な行動が示され、やる気さえあればすぐに実行できそうな内容ばかりでした。

他にも紹介したいポイントはたくさんあるのですが、古澤先生の講演は今年も各地で予定されていると思いますので、もっと詳しく知りたい方はぜひ生の古澤先生の講演を体験してください。

二日目はSNJ顧問の中村先生(日本大学)より「国際展開を図るSafey2.0の取り組み」について最新情報が提供されました。IOTをベースとした、新しい日本の産業界のあり方について解説していただきました。Safety 2.0ではコンピュータを利用したシステムで安全を担保しつつ、高度な機能を実現します。

一例として、作業者の資格や経験に合わせて機械の動きをコントロールすることで安全な作業を実現します。また、列車の制御システムでは、センター装置と列車、転てつ機、踏切が相互に情報交換し、低コストかつ進化できる鉄道の実現が可能になります。

Safety 2.0は機能安全に代わる、日本発の「和の安全」、「協調の安全」に基づくモノ造りの新しい方法論です。欧米の「契約」に基づいて互いに牽制し合い、決まった通りにモノ造りを行う方法とは対照的な日本独自のモノ造り論とも言えます。今後海外展開も視野に入れて、本格的な活動がスタートしています。各分野の専門家による組織、人材育成プログラムなども整備され、今後の展開から目が離せません。

2日間、多くの情報が発信され、新旧会員の交流、情報交換が行われました。SNJでは2ヵ月に1回程度、定例会を開き、機械安全、労働安全、鉄道安全などの専門家による勉強会を行っています。次回定例会は4月19日(木)に予定されています。見学ご希望の方はSNJ事務局(mail to: japan@safety-network.org)までお問い合わせください。

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