ピルツジャパンのブログ「裏ピルツ新聞」

2021年12月14日更新CETサービス部からのお知らせ 第5回

前回に引き続き、綛谷が第5回目のCETサービス部からのお知らせをお届けします。

最近は当社関西支店も出社する人数も増えており、少しずつですがコロナ前の状態に少し戻りつつあります。またこの3か月お客様の現場にお邪魔してリスクアセスメントなど実施する機会もかなり増え、グローバルでの産業用機械の需要復活を肌で感じています。

12月初旬時点で新たな変異株が・・というニュースが流れてきて気になるところですが、このまま業界が活気のある状態に戻り、安全機器の販売やサービスの引き合いが増えていく状況に対応できる準備が必要と感じています。私としては、1件1件のプロジェクトの確実な実施はもちろん、お客様の望むコンサルテイング・トレーニングサービスをスピード感をもって提供できるよう日頃から刃を研ぐということを心掛けて参ります。

 

一方我が家は9月時点から引き続き、妻が資格試験対策(現在は実技対策のピアノと絵画)で忙しくしており、保育園児の娘も妻の横で同じようにピアノや塗り絵に励んでいることが多いです。私の技能検定対策も佳境に入っており、みんな手が離せないようなタイミングでは3歳の双子ボーズたちにテレビを見せて待ってもらうことがたまにあります。

しかし困ったことに彼らはテレビに夢中になるとついついテレビに近づきすぎてしまいます。目に悪いので「離れてソファーで見なさい」と注意するのですが、5分後には早くもテレビの目の前に・・・。ルールを決めてイエローカード3枚累積でテレビを消しているのですが、テレビを消したら消したで騒ぎ出し、しまいには「トーマス無くなった」と泣きわめく始末です。そのたびになだめるのに時間がかかり困ったものです。

現在Google Home (マイク付きのスマートスピーカ)とスマートリモコン(赤外線リモコンを学習させてテレビなど操作)によって、声によってテレビを操作できるようにはしています。ただいちいちGoogleさんにテレビ消しを依頼するのもあまりスマートではないので、自動でテレビを消すシステムを構築できないかと考えた結果、機械安全の考え方を適用するアイデアをひらめきました。

  • 「目が悪くなる」という危害が発生するおそれがある、
  • 「テレビの近く」という危険区域に入ると (もしくは「ソファーの上」という安全なエリアから出ると)
  • 「テレビからの発光」という危険事象(?)を止める

という安全制御システムです。具体的にはライトカーテンや感圧マットの信号を、Raspberry Pi のGPIOに入力させ、それを検知したら「OKグーグル、テレビ消して」と何かにしゃべらすか直接スマートリモコンに指令を送る、などすれば実現できそうです。

ただし現実に機械安全の実例と同様課題もありまして、

  • 迂回(回り込み)してテレビに近づく
  • 仕組みを覚えて無効化(電源引っこ抜くなど)する

などされたらひとたまりもありませんし、大人が通って消えないなどの使い勝手も考慮しなければなりません。なかなか大変そうです。。。これらは実際の機械安全の対策でもとても重要な点になります。

さすがに当社の安全機器を使用して・・というのは少し憚られますので、なんとか安くて使い勝手の良い(家族からブーイングを浴びない)システムを構築できたらなと思います。無事完成まで至るかは分かりませんが、次回の記事がもしあれば紹介できたらと思います。

 

さて会社の話に戻りまして、当社サービス業務についての話題です。今回は当社の海外法規対応のサービスの中の1つのブラジル法規対応「NR-12適合性確認サービス」について簡単にご紹介します。

ブラジルへの機械の輸出にはNR-12という規制の要求事項への適合が必要になります。NR-12は欧州機械指令と似ていて、機械のすべてのライフサイクルにおける人の事故や病気などを防ぐための必須要求事項を規定しています。リスクアセスメントの実施、ISO, IECなどの国際規格の要求事項の参照なども同様になります。

CEマーキングとの違いとしては、ブラジルで実際に機械を使用する会社つまりエンドユーザがNR-12への適合に対して責任を有する(製造業者ではない)という点が挙げられます。またNR-12特有の要求事項(一部国際規格で要求されるような細かい内容も含む)や製品の分類(プレスや類似機械など)がある点も注意が必要です。

さらにNR-12対応の技術文書はART (Anotação de Responsabilidade Técnica (Technical Responsibility Annotation)と呼ばれ、関連するCREA (Regional Council of Engineering and Agronomy、ローカルの技術機関) に正式に登録されている専門家のみがARTを発行することができ、そのためこの専門家がARTに関する情報の責任を負います。

当社のNR-12適合性確認サービスは、当社のブラジル支社と連携して、日本での機械のリスクアセスメントから、技術文書の編纂や翻訳、現地でのブラジル人エンジニアによる機械の最終チェック、NR-12適合性確認プレートの貼り付けまでトータルでサポートするサービスです。当社Pilz ブラジルのエンジニアは、CREA-SP (the Sao Paolo branch of CREA、CREAのサンパウロ支部)に登録されており(Registration Number: 573132)、ARTを作成する資格を有しています。

プロジェクトの流れについては以下をご参照ください。OEMは日本の製造業者様、Pilz Subsidiary がPilzジャパンになります。

図1. NR-12適合性確認サービスの内容

図2. NR-12適合性確認サービスの作業の流れ

リスクアセスメントやCEマーキングプロジェクトなどの他のサービスと同様、機械の外観図や電気回路図、また取説などの製品の使用情報に加え、日本での機械の確認現場の住所、ブラジルのエンドユーザ様の現場の住所などの情報をいただきましたら、現地の交通費など含むプロジェクト全体のお見積もりが可能ですので、是非ともお問合せくだされば幸いです。

それではみなさまがよい年の瀬・新年を迎えられますよう祈念して、今年のCETサービス部のお知らせの結びとさせていただきます。

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