ピルツジャパンのブログ「裏ピルツ新聞」

2023年3月14日更新CETサービス部からのお知らせ 第8回

  第8回のCETサービス部からのお知らせを綛谷がお届けします。前回の記事からは半年空いてしまいました。ぼちぼち可能なペースで更新していけたらと考えています。

 

  CETサービス部の現状ですが、近年の年明けの状況と比較すると多くのプロジェクトの機会に恵まれています。昨年後半からの引き続きの案件に加えて新規のお問合せを受けることも多く、お客様のトレーニングやコンサルティングの需要はコロナ禍前に戻ってきたような印象です。前回ご紹介した通り小さなグループではありますが、お客様のご要望をしっかり把握してより良いサービスを提供できるように努めています。

  私個人の想いとしては、当社のような安全機器メーカーが提供するサービスにおいて、「サービス提供前よりもリスクが低下した状態の実現」こそがゴールです。よって、成果物として提供するレポートやセミナーについても、ゴールのためのプロセスの一部ととらえています。リスクの高いポイントや規格の要求事項から逸脱したポイントの明確化だけではなく、リスク低減策の実装まで行ってはじめて、機械や現場に存在する危険源のリスクレベルを下げることが可能になります。今後は昨今の部品調達が困難な状況からの回復をにらみつつ、機械や技術文書のチェック→レポート発行に留まらず、リスク低減策の実装(安全機器のご提案含む)までのトータルソリューションを提供できるプロジェクトを少しでも増やしていきたいと考えています。そのためにはサービス部が「合理的に実行可能なリスク低減策」を提案できるかが肝になってくると思いますので、社内で製品チームとの情報共有を行い、お客様に最適なソリューションを提供できるように努めて参ります。

 

  当社のサービスの話からは少しそれますが、春の訪れとともにプロ野球(NPB)のシーズンが開幕します。その前に日本人MLBプレーヤーも参戦するWBC という野球の世界対抗戦も開催されますので、ニュースで野球に関する情報をご覧になることも増えてきたかと思います。私自身は学生時代野球をやっていたので、WBCやNPBを楽しみにしているのですが、残念ながら我が家の他のメンバーは様子が違います。子どもたちはテレビを取られてしまうことが気に入らない様子で、プレイボール早々「いつ終わるの?」と聞いてきて、「2時間半以上かかる」と伝えるとがっかりしています。奥様については昨年までは特に問題なかったのですが、最近球場でのトランペットなどの鳴り物での応援が可能になり、テレビでそれらの音を拾ってしまうため「ラッパの音がプープーうるさい」というクレームが来るようになりました。また野球に全く興味がなく見て楽しむこともないため、ただただ私の動きが止まったり会話が聞こえづらくなる邪魔な存在となっているようです。

  つまり奥様にとっては、野球中継の音は長時間許容することのできない「雑音」であり「害」、広義では「騒音の危険源」となるということになります。(こじつけかもしれませんが、、)安全対策を考える観点においても、オペレータの特質によって苦痛になる作業や環境が変化することもありますので、様々な人が関わるということを考慮した安全対策を実施していくことも大事だと考えます。決して自分だけの尺度で考えずに、想像力を働かせるとともに、現場のオペレータの方々へのヒアリングを欠かさずに安全対策を提案していけたらなと思います。

  ちなみに我が家の下の子たちは、ラッパの音でふざけて踊っていたり、外国人選手の名前を連呼(ひと昔前は阪神のサンズ選手がブーム)したりして楽しんでいることもありますので、完全に「害」にはなっていないようです。とはいえディズニーチャンネルを見れなくなるので、野球中継はどちらかというとデメリットであることには変わりないようです。別室にテレビを置いたりタブレットを持って行って1人で楽しむべきかと悩んでいますが、せっかくなので家族のだれかと野球中継を楽しみたいなという気持ちもあり難しいところですね。

 

  次に、当社のサービスに関して、今回はデザインレビューのサービスをご紹介させていただきます。ピルツのサービスのパッケージの、DRA(デザインレビューアセスメント)/FAT (Factory Acceptance Test、工場での安全性検証)/SAT (Site Acceptance Test、エンドユーザの現場での安全性検証) という一連のサービスの中に組み込まれている、DRAの項目がデザインレビューに該当します。以下の表をご覧ください。

  概要としては、機械の設計段階でリスクの高い危険源や法令(規制・指令・規格など)に不適合の部分を抽出してレポートを発行するサービスになります。具体的には、外観図・機械図面・電気回路図などの技術文書のレビューを行い、技術文書から把握できる範囲の危険源や法令からの逸脱点を抽出し、リスクレベルを推定し、優先順位をつけてリスク低減策のアイデア(アクションリスト)を提供します。どの基準で評価を実施するかについては、導入先の国の法令や国際規格に加えて、エンドユーザ様独自の安全基準など、ご要望に応じてアレンジすることも可能です。またモデル機など確認可能な機械がある場合は、技術文書のレビューと併せて実機確認を基にリスクアセスメントレポートも発行可能です(上図の右側、Pilz Assessment のサービス)。

  デザインレビュー実施の利点としては、機械の設計段階で機械/装置のリスク低減策を盛り込むことが可能になり、製造後の手直しによるコストや工数の増加の発生頻度を下げることができます。当社からのリスク低減策の提供(安全制御部品の提案→導入支援含む)についても、設計自由度の高い段階で実施できるため、より良いアイデアの実装が可能になります。早期に安全対策を実装することでプロジェクトをスムーズに進めることが可能になるという面もあります。また、図面だけでは判断できない部分(例えば、危険源への安全距離と開口部の大きさの関係など)は、国際規格の要求事項を事前にお伝えして設計に盛り込むことが可能ですし、FAT(実機確認でのリスクアセスメント)を依頼いただければそちらで実機確認を行ない危険源を同定することもできます。

  ピルツジャパンが現状手掛けるデザインレビュープロジェクトは、設計を行うメーカー(製造業者)様からの依頼に加えて、エンドユーザ様からの依頼を受けメーカー様と連絡を取り合って評価を進めるというケースもございます。機械の輸出を計画されているメーカー様や、現場に国際規格に適合した機械の導入を検討されているエンドユーザー様には最適なサービスになりますので、是非とも下記までお問合せいただければ幸いです。

お問合せ先:ピルツジャパンお問合せメールアドレス

  以上で、第8回CETサービス部からのお知らせを終わらせていただきます。季節の変わり目で朝晩の寒暖差に加えて花粉の飛散もありますので、みなさま健康第一でお過ごしください。

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