ピルツジャパンのブログ「裏ピルツ新聞」

2023年6月20日更新CETサービス部からのお知らせ 第9回

  第9回のCETサービス部からのお知らせを綛谷がお届けします。高温多湿なうえ豪雨に見舞われることもありなかなか大変なこの季節ですが、みなさまお元気に過ごされていますでしょうか? 実は私も豪雨によって大変な状況になったうちの1人です。

 

  簡単に言えば、今月初めの豪雨で新幹線が運休、帰路の旅程が大幅変更になりました。少し細かくお話すると、まず夕方の現場での最終日の作業を終え、新幹線の最寄り駅に向かう道中で1時間20-30 mm の豪雨に見舞われました。駅までたどり着けば何とかなるだろうと思っていましたが状況は思ったより悪く、駅には横殴りの雨が流れ込み構内も水浸し、途方に暮れたビジネスマン・観光客があふれかえっています。アナウンスは本日中の運航再開は不明という内容でしたが、冷静に考えこの時点で帰宅は諦めて宿を取ることに。とはいえ皆さん考えていることは同じで近隣のビジネスホテルからどんどん予約で埋まっていきます。最終的にはなんとか電話して直接宿を押さえることができました。

  宿泊先を確保して安心しますが、帰りの便の心配は残ります。この時点ではまあ明日の始発で帰れるだろうとタカをくくっていましたが、ここからもなかなか一筋縄ではいきません。ホームページには翌朝5時に運行予定を更新とありましたので、早起きして確認が必要です。翌朝少し出遅れて5:10に確認したところ、仮に予約していた始発便はキャンセルされ12時ごろから運航再開ということ。12時からの便もすごい勢いで指定席が埋まっていき、なんとか取れた指定席が14時ごろ発のこだまでした。ホテルをチェックアウトして付近をぶらぶら観光した後、そのこだまもなかなか到着しません。結局は出発40分遅れ、名古屋、新大阪でそれぞれ20分待ち、合計1時間20分遅れとなり、土曜の夜の関西へ帰ってきました。当初より22時間遅れですがなんとか無事帰れて良かったです。

  旅程の遅れの影響について、実は土曜日の午前中に子どもの小学校の運動会が予定されていました。これについては不幸中の幸い、運動場が水浸しで日曜に延期になったため問題ありませんでした。もう1つ土曜夜に友人と予定していた野球観戦のほうは、流石プロの整備士さん(〇〇園芸さん)によりグラウンドの水抜きは完璧に行われたようです。本当は試合前練習の観戦やプレゲームイベントなど堪能して万全の体制で観戦する予定だったのですが、プレイボールには間に合わず初回に飛び出したホームランを見逃す羽目に。何とか試合中にたどり着けてマシだったかなと思うしかないです。その他、出張日程にプラスして土曜日の家事育児の負担がのしかかった妻の疲労度の大幅アップに加え、私自身も少し体調を崩し二人とも復調まで少々時間を要するというちょっとしたダメージも負ってしまいました…。プラス面としては…お土産を沢山買う時間が取れたため、ずらっと並んだお土産を見て子どもたちがたいそう盛り上がったことくらいでしょうか…。

 

  さて、こういった自然災害などの非常時の対応について考えてみたいと思います。まずは利用者側について、事前の準備や素早い情報取得からの対応が非常に大事ということを痛感しました。今回のケースでは台風・線状降水帯の予測をもとに、予定の打ち合わせを後日リモートに変更するような対応や、衣服などをもう1泊分準備することなどができたかもしれません。情報についても、細かくJRからの公式の情報を確認できずにWeb上で予約ができない状況だったら、もっと帰着が遅くなっていたかもしれません。実際に自由席に乗れずに何本か新幹線を見送っている方もいらっしゃいましたし、指定席のエリアや通路にも乗客が溢れかえってすし詰めになっている状況も目の当たりにしました。その他、次の予定に対して余裕を持った旅程を組むことも重要かもしれません。今回ほどの22時間遅れの想定は難しいかもしれませんが…

  次に運行側からについて、今回は指定区間で基準値以上の雨量が降って運行を取りやめるというアナウンスがあったので、事故を未然防止するために設定したルールに従って粛々と対応したかと想定されます。このケースでは「適切な基準」が最も重要と感じます。過去の災害事例などのデータなどを参照に専門家により決定され、現実に実現可能な(通常の運行時に大きな影響を及ぼさない)レベルで、なおかつ事故が起こらないところに線引きするというなかなか難しい判断が行われているかと推察します(※頻度が高いような雨量ですぐに運休するわけにもいきませんし、列車内に取り残されるような状況や万が一事故になってしまっては元も子もありません)。また新技術や気候条件の変化などに加えて過去の実績など踏まえて更新し、より良い基準へとアップデートしていくことも重要な事項だと感じます。

 

  我々ピルツが取り組む主に工場内の機械や設備の安全についても、

  • 事故が起こってからの対策ではなく未然に防止すること
  • 安全に対する基準(国際規格など)も日々更新されていく情報を実務(リスクアセスメントやリスク低減策提案)に盛り込んでいくこと
  • リスク低減策は現実的に実現可能な対策を優先順位順に実施していくこと

 

など、色々共通する重要なポイントがあると考えます。私自身としては、今回のような鉄道の運行の安全対策も含め、様々な分野の安全についてアンテナを高く情報取得を進めることの重要性を感じています。ピルツジャパンのサービス部門としては、メーカー様やユーザー様と異なる第三者として客観的/定量的な視点で危険源やリスクレベルを顧客に提示すること、またより具体的で実現可能なリスク低減策をご提案していくことを心掛け、機械を使用する方々を危害から守るためのサービスを引き続き提供していきます。サービスについてのお問い合わせ・お見積りについて、是非ともご気軽にお問合せください。

 

お問合せ先:ピルツジャパンお問合せメールアドレス

 

  最後にCMSEトレーニングコースについてのご案内です。3月に大阪、5月に名古屋でCMSEトレーニングコースおよび試験を実施済みです。今年は更に8月、11月(開催場所は未定) に開講が予定されており、現在も受講者を募集しております。「機械安全の実務経験や知識はあるが、改めて断片的な知識を整理して理解したい」というお客様や、「機械安全についての国際的な資格を取得し顧客にアピールしたい」といったお客様にとって最適なトレーニングコースおよび資格試験になります。ご興味を持たれた方は上記のお問合せ先までご相談、もしくは下記のリンクからお申込みいただければ幸いです。

 

お申込み先: CMSE® – Certified Machinery Safety Expert

 

※下記のバックナンバーではCMSEトレーニングコースについてご紹介しています。

 

CETサービス部からのお知らせ 第6回 | ピルツジャパンのブログ「裏ピルツ新聞」 (ura-pilz.com)

 

  以上で、第9回CETサービス部からのお知らせを終わらせていただきます。梅雨時期が続き、その後これから本格的な夏を迎えることになりますが、エアコンを適度に使用しみなさま体調にお気をつけてお過ごしください。

記事一覧

ページの先頭へ戻る