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2017年10月18日更新古澤先生のセミナー「安全活動の落とし穴 傾向と対策」体験レポート

9月27日(水)、安全衛生総合会館にて中央労働災害防止協会(中災防)主催の古澤先生のセミナーが開催されました。裏ピルツ新聞編集部もこのセミナーに参加し、生の古澤先生の講演、指導を体験して来ました。このコラムを愛読されている読者のみなさまにもその様子を“素人目線”で報告させていただきます。

セミナーの主な対象者は安全スタッフやラインの管理監督者なので、「講義についていけるのか?」という不安もありましたが、結果的には私たちにも大変勉強になる内容でした。参加者によって内容や話し方を変えると言う古澤先生ですが、私たちが参加しても戸惑うことなく着いて行けたのは、古澤先生の細かい気配りの賜物だと思います。

まず講義の最初の方で、2017年に「製造業では死亡災害が前年度と比べて28%も増加している」という気になる数字が報告されました。さらに、昨年の労働災害による死亡者数は1,000人以下だったのに対し、今年度はこのままだと1,000人を超えるだろうというショッキングなニュースもです。参加者の多くは私も含め、これらの数字を把握しておらず、勉強不足を実感し、気持ちを引き締めて講義・演習に臨みました。

セミナーの大体の流れを説明すると、まず、それぞれの職場の安全対策の現状、課題の確認から始まり、午前中は古澤先生の講義、午後はグループに分かれて演習、最後にそれぞれのグループの発表と進められました。タイトルにもなっているように安全活動には色々な「落とし穴」があるのですが、その一つひとつが経験に基づいて、具体的に詳しく説明されました。そして、ただ聞いて終わるのではなく、それぞれが職場に戻って講義で聞いた内容を実践できるように、演習も用意された充実したプログラムでした。

午後の演習は製造現場の写真を見ながらグループで危険源について話し合う実践的な演習で、安全の担当者にとって、それぞれの職場ですぐに役に立つ内容だと思いました。写真の中の現場については、悪い点だけでなく良い点も見つける、という古澤先生らしい課題です。指導する立場の人は悪い点にばかり目を向けがちですが、指導される立場で考えると、悪い点ばかり指摘されると改善する気持ちも萎えてしまいます。グループ作業を通して、また各グループの発表を聞き、自分では気づかなかった色々な危険や対策を知ることができました。参加者の多くがチームで話し合ってよい活動を進めるヒントを得られたのではないでしょうか。

セミナーの最後の方で古澤先生から「今日身についた3つのことを1行ずつまとめなさい」、と言う宿題が出されました。3つだけ選ぶのは大変ですが、無理のない活動を少しずつでも進めることの方が目標だけたくさん並べて1つも実践できないよりずっとよいことに、ここでも気づかされました。1日を通して多くの気づきのあるセミナーでした。セミナーの対象者である安全担当者でない私でも学ぶことの多かったセミナーですので、対象者にとってはもっと大きな意味があったのではないかと思います。そして元気と勇気をもらって生き生きとして帰る参加者がとても印象的でした。

このセミナー、来年2月にも開催されるようですので、今回参加できなかった方は次回参加されてはいかがでしょうか。中災防のセミナーお申し込みページはコチラです。

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