ピルツジャパンのブログ「月刊 裏ピルツ新聞」

2017年8月25日更新疲れた時に効(聴)く音のビタミン剤、Pentatonix

夏ももう終盤になりました。このところ雨が続き、梅雨に戻ったかのようなじめじめした毎日で憂鬱な気分になりやすい私ですが、読者のみなさんはいかがでしょうか? 今月はそんなモヤモヤ気分や夏の疲れを一掃してくれる極上のハーモニーを奏でるアカペラグループ、Pentatonix(ペンタトニックス、略称PTX)を紹介します。

2011年にデビューし、この6年間に3回もグラミー賞受賞という快挙を成し遂げたアメリカの5人組アカペラグループPTX。歌が上手で、子供の時からコンテスト入賞の常連だった幼なじみのカースティ(唯一の女性メンバー)とミッチ、地元テキサスの高校で出会ったスコットと3人でスタートしました。そして、アメリカのテレビオーディション番組に出るために新たに加わった、ほぼ初対面の2人のメンバーと共に番組に出場し、見事優勝!&デビュー。その後はツアーとレコーディングで世界中を意表飛び回る超売れっ子グループとなりました。

PTXの魅力はその完璧なハーモニーとアカペラのよさを十分に生かした独特のアレンジです。メンバー全員がシンガーとしてソロデビューしてもおかしくない技量がある上に、後から参加したケビンとアヴィのヒューマンビートボックスや、ベース音で唯一無二のサウンドを創り出しています(残念ながらアヴィは脱退を表明しています。彼の脱退後のニューメンバーを今探しているようです)。デジタルサウンドを“わざわざ人間の声で再生しよう”というユニークな試みが大成功した「Daft Punk」は、彼らの代表作です。初めて聞く人は、「えっ、嘘でしょ?」と耳を疑うかもしれませんが、ベースやドラムや効果音は電子楽器ではなく、正真正銘の人間の声です!

 親日家でも有名な彼らは、日本にすでに数回来日し、ライブやテレビ番組の出演経験もあります。最新アルバム「Pentatonix (Japan Super Edition)」では、パヒュームのメドレーをカースティが完璧な日本語の発音で歌っています。また、「That’s Christmas to Me (Japan Deluxe Edition)」には山下達郎さんの「クリスマスイブ(英語版)」も入っています。オリジナルももちろんいいですが、彼らの歌声を聞いていると、昔のアルバムを眺めているかのようにオリジナルが発売された83年の記憶が蘇ってきます。

これからPTXを聞いてみたい方にお勧めのアルバム2枚を選ぶとしたら、季節外れですが、前述のクリスマスアルバムと「PTX, Vols.1 & 2 (Japan Editoin)」です。クリスマスアルバムには、ミッチがリードボーカルを担当する「Just for Now」(イギリスの女性シンガーソングライター、イモージョン・ヒープの曲のカバー)も入っています。万人受けのする曲ではありませんが、私はこの曲がPTXの全曲の中で一番好きです。なぜなら、アップダウンの激しい難しいこの曲でミッチのファルセット(裏声)が一番光っているからです。病気かもしれませんが、リピートで何十回も聞いてしまいます。

ミッチはオーケストラで例えるならコンサートマスター(通常は第一バイオリン主席)級に歌が上手く、歌声もピカイチです(余談ですが、彼とスコットはゲイであることを公表しています。天才的なミュージシャンには多いので驚きませんが…)。彼の高音域は変な言い方ですが、女性より女性らしい妖しい魅力があります。実際にカースティという女性メンバーがいるのに、彼が高音域を担当することが多いのもそのせいだと思います。カースティも大好きなので誤解のないようにお願いします。

もう1枚のアルバム、「PTX, Vols.1 & 2 (Japan Edition)」には代表曲「Daft Punk」のメドレーも入っています。他の曲でまずお勧めしたいのはキラキラ感が素敵な「Valentine」。四方八方からメンバーの声が重なっていき、高音域をやはりミッチが歌います。来年のバレンタインはこの曲をぜひ大切な人と(またはその人のことを思いながら)聞いてください。そして、このアルバムのリリース当時は数少なかったオリジナル曲「Run to You」のシンプルなアレンジも秀逸です。ビートは入っていませんが、こんなオーソドックスな曲も抜群の音感と表現力で、ぐいぐいと聴く者の心に迫るのは彼らの実力の成せる業です。

そして「Save the World/Don’t You Worry Child」(解散したSwedish House Mafiaの曲)もPTXのトレードマークのハーモニーとビートが加わって、オリジナル以上にサビの歌詞(心配しないで。きみのために神のご計画が用意されているから)が引き立っています。

最後に最新アルバム「Pentatonix (Japan Super Edition)」からもう1曲だけ彼らのオリジナル曲をお勧めします。ミッチとケビンが中心に書いた「New Year’s Day」という曲です。歌詞は、単に新年のことを歌っているのではなく、古い自分を脱ぎ捨てて、前を向いて歩こう、という応援ソングです。新年の日の出を思わせるハーモニーで始まって、徐々に盛り上がるアレンジも素晴らしい作品です。やる気が出ない時、疲れた時、この曲を聞くと不思議とポジティブな気持ちになってきます。月曜の朝会社に向かう時や、今、大変なプロジェクトに挑戦している方は、ぜひこの曲で気分を変えて、頑張ってください。原稿締め切りギリギリまで怠けていた私もこの曲を聞きながら、なんとか最後にたどり着きました。

 

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