ピルツジャパンのブログ「月刊 裏ピルツ新聞」

2018年10月16日更新ジャズピアノはじめました

 ジャズというジャンル、読者のみなさんはお好きですか。私は高校の時から少しずつ聞き始め、学生時代はクラシックを勉強しましたが、自宅でリラックスする時はジャズやロックを聞くことが多かったです。ジャズは19世紀の終わりから20世紀にかけてアメリカのニューオリンズやニューヨークを中心に黒人ミュージシャンが発展させた音楽です。途中から白人ミュージシャンも加わり、ジャズはその後アメリカのみならず、欧州や日本でも確立したジャンルとなりました。世界的に見るとジャズは現在衰退していますが、日本では相変わらず熱心なジャズファンがいることに、アメリカ人などにびっくりされることもあります。ジャズと言ってもさまざまなタイプがありますが、私の好きな20世紀後半からのモダンジャズは、独特の後乗りのリズム、アドリブ(即興)、クラシックやポップスと比べて不協和音的な和音の使用、自由な展開などが特徴的です。

 私にとってのジャズの魅力は、このアドリブを始めとする毎回変化する一回限りの演奏と、和音や展開の自由なところです。ジャズミュージシャンが使用する譜面は一般的にコードが書かれているのみで、メロディが書かれている場合も、リズムは三連譜であっても八分音符で書かれていて、アバウトな表記になっています。譜面どおり弾くことを理想とするクラシックとは対極的です。ジャズ以外のジャンルでは、譜面どおり、レコーディング通りの音符を弾くのが当たり前ですが、ジャズでは譜面は出発地点に過ぎない程度の扱いで、メロディも崩されます。この開放感がいいのです。

 このところ連休が続き、夏の暑さから解放されたこともあり、少し腰を据えて新しいことでも始めてみようか、と言う気分になり、遂にジャズピアノを始めました。以前から興味はあったものの、なかなか一歩が踏み出せなかったこのジャンルに思い切って片足を突っ込んでみることにしたのです。聴くのは大好きだけど、自分で弾くことはずっと敬遠してきたのは、「なんだか複雑そう」、「アドリブができるのだろうか?」、本を読んで独学する人もいるけれど、自分はやっぱり人に習いたいタイプだな、とか色々な言い訳を繰り返してきました。

 そんな私が今回始められたのは、技術の進歩のおかげかもしれません。今はネットでさまざまな情報やツールが簡単に手に入る、よい時代になりました。ネットの講座と便利なアプリが特に役立ちました。

 まず、YouTubeで検索すれば、無料のジャズ入門講座がたくさん出てきます。どれにするか選んでクリックするだけで、簡単にレッスンを受けられるのです。聞き逃したら巻き戻してもう一度見る事もできるし、大事な板書は写真を撮ってあとで振り返ることもできます。どれにしようかちょっと迷いましたが、ある農業を営む方がジャズの基礎をわかりやすく解説し、「とにかくジャズが弾けるようになる」ことを目ざすジャズピアノの講座を見てみることにしました。格式が高いものより、気楽に続けられそうだったからです。この先生は、自分は本で勉強したわけでも、(かの有名なアメリカのジャズ名門スクール)バークレー方式でも無い自己流だから、デタラメかもしれない、と言い切ります。自論をわかりやすい言葉とキーボードの実演で教えてくれるこの講師の先生が気に入り、結局シリーズの最後まで見終わりました。手作り感満載で、細かいことにはこだわらないお気楽な感じが私には合っていて、途中でやめてしまうかもしれない、と思っていたのに、最後まで見切ってしまいました。課題曲”Fly Me to the Moon”がとりあえずぎこちないアドリブも入れながら弾けるようになりました。もちろん、人前で演奏できるほどのレベルではありませんが…

 また、この講座でも紹介されているiRealProと言うアプリが秀逸です。こんな便利なものが出ていたのに、今まで知らなかったとは!有料ですが、2000円もしないので、本気でこれからジャズを練習したい人には、絶対損しない便利なアプリです。(念のためですが、リベートをもらっている訳ではありません…)知らない方のために説明します。このアプリはジャズの名曲が1000曲以上登録されていて、リズム(ボサノバ、スイングなど)やテンポ(曲の速さ)を自由に設定することができます。また、楽器ごとに音量を調節することもできるため、たとえばピアノを練習したい場合は、ピアノの音量を下げれば、他の楽器と擬似セッションをすることができます。そのため、個人練習にうってつけです。相手は機械ですから、間違えて何度やり直しても気にする必要はありません。文句も言わず、何度でも練習に付き合ってくれます。

 さらに、このiRealProは、オリジナル曲や既存の曲をアレンジする時にも大変役立つスグレものです。コード進行さえ書き込めば、勝手にベースやギターなどのバッキングを作ってくれるのです。先ほどの音量調節の機能で自分の楽器(私の場合ピアノ)の音量を下げれば、カラオケとして使用できます。コード進行さえわかれば、カラオケが好きな方が、あまり有名でない曲だけどカラオケ音源で歌ってみたい場合などにも利用できそうです。

 さて、iRealProを買って、これからアドリブをやってみるぞ、とキーボードでスタンバイして意気込んでいた時、ハプニングがありました。10年くらい使っているヘッドホンからノイズが出て、音がプツリ、プツリと切れるのです(何度も落としたり、コードを引っ掛けたりしているので、壊れたからと言って文句は言えません)。しばらく我慢して肩耳にiPhoneのイヤホン、方耳に瀕死のヘッドホンをつけて練習していたのですが、途中から耐えられなくなりました。そして、我慢できずにAmazonのワンクリックで一番人気のヘッドホンを注文してしまいました。次の日に届いて試してみると、音質が180%くらい良くなり、こんなことならもっと早く買い換えておけばよかった、と後悔したほど、音がクリアになり、ますますジャズピアノ熱が上がっています。

 こうして、私のジャズピアノ練習環境が整えられ、図書館でジャズの本なども借りて、ちょっとやってみよう、と思っていた程度だったのに、今ではどっぷり漬かってしまっています。もっと知りたい、弾けるようになりたい、と言う思いが強くなるばかりです。とは言え、ジャズは(クラシックもロックもどんなジャンルでもそうですが)奥が深いので、人前で演奏できるようになるまでにはしばらく時間がかかりそうです。或いは、そのうち熱が冷めるか挫折するかして、人前で演奏することはないまま終わるかもしれません。しかし、当面はiRealProを相手に気長に練習を続けることにします。読者のみなさんも、この秋、ぜひ新しい何かにチャレンジされてはいかがでしょうか。いくつになっても新しいことにチャレンジするのって楽しいですよ!

 

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