ピルツジャパンのブログ「裏ピルツ新聞」

2024年12月15日更新鉄道博物館を訪れて思う鉄道のあれこれ

  先日、来年度の記念行事で使用させていただく大宮の鉄道博物館に行くことになりました。あくまでも打ち合わせや下見がメインでしたが、どうせならこの際ブログの取材もしようと思い、いざ参上しました。

  平日の午後、ガラガラかと思いきや、親子連れが結構来ていて、ミニチュア電車に乗ったり、お仕事体験をしたり、ジオラマを夢中で眺めたり、楽しそうに過ごしていました。そんな親子連れを横目で見ながら、私もノスタルジーを感じずにはいられませんでした。

本物の線路の上を走るミニ列車

  子どもの頃、私の故郷高知では、家族で旅行と言えば電車ではなく汽車(ディーゼル車)が普通でした。当時、電動の列車は走っていなかったのです。瀬戸大橋もない時代なので、本州に行く場合は、さらにフェリー(宇高連絡船)に乗り、それから電車に乗ります。東京に行くとなると、これらを乗り継いで、10時間くらいかかる海外旅行なみの大プロジェクトです。そんな環境のせいか、大阪や東京は、遥か遠くのキラキラ輝く場所に見えたものです。

  新幹線と言えば今でもゼロ系が私のスタンダードです。子どもの頃の私にとって、新幹線はテレビでしか見ることができない憧れの乗り物でした。あれから何十年もたった今でも、高知に新幹線は開通していません。人口が少なく、経済効果が少ない四国には新幹線の開通は難しいようです。大人になってからはゼロ系に乗ることも何度かありましたが、今ではもう引退して見ることもなくなりました。そのゼロ系を今回、間近に見るばかりでなく、車内を見ることもできました。青い座席もそのままで、今はもうなくなった灰皿も各席にあり、時代の流れを感じました。

ゼロ系

  博物館内には鉄道マニアが喜びそうな鉄道の歴史や、実際の車輛、踏切の模型と言った王道の展示物ももちろんありますが、若者向けのポップな展示もあります。特に興味深かったのは、駅弁の展示です。ガラス越しにお弁当をタッチすると、お弁当の名前が表示されます。駅弁の種類の多さにも驚きました。子どもが喜びそうな新幹線型のパッケージや、ご当地グルメ満載のお弁当のサンプルが、壁一面に展示されています。全国の駅弁を全部制覇した人はいるのでしょうか?

全国の駅弁サンプル

  駅弁と言えば、忘れられない思い出があります。子どもが小さい頃、広島の夫の実家からのぞみで帰宅する途中、車内販売でお弁当を買おうとしたら、私たちの前で売り切れてしまいました。がっかりしている私たちに、車内販売の女性が気を利かして、次の駅でお弁当を買えるよう手配してくれました。その時食べた、明石のひっぱりだこ飯の味が忘れられません。蛸壺のような焼き物の容器に入った温かい炊き込みご飯、その上に、しっかり味の浸みた柔らかい蛸と野菜が彩りよく並べられていました。三人ともあっと言う間に完食でした。美味しさに感動し、容器も珍しいので、持ち帰ってしばらく使っていました。

  今回あらためて気づいたのは、日本の鉄道は世界に稀に見るほど便利、清潔、快適、安全だと言うことです。海外にも電車はもちろんありますが、欧米では車での移動が主流のため、日本ほど鉄道網が発達しておらず、限られた区間のみしか運行していません。自分の行きたいところに電車だけで行くことは困難です。駅や車内も日本の電車と比べるとゴミや落書きが目立ちます。定時運行などは当てにできず、発着時間はあくまで目安、遅れて当然くらいに思っている方が安全です。安全性についても、新幹線は開業以来死亡事故ゼロで、最も安全な乗り物と言われています。こう考えると、私たちはこんなに優秀な鉄道を利用できてラッキーです。世界トップレベルの鉄道を開発してくださった技術者や、車内清掃の方々、鉄道に携わるすべての人に感謝します。

  お正月休みに鉄道を利用して帰省される方もいらっしゃることと思います。混雑は避けられないと思いますが、快適な旅になりますように。ご当地の駅弁もぜひお楽しみください。関東に残留される方は、鉄道博物館のランチトレインの中で駅弁を食べながら旅の気分を味わうのもよいかもしれません。

ランチトレイン

  みなさま、今年もご愛読ありがとうございました。どうぞ素敵なお休みをお過ごしください。それぞれのスタイルでゆっくり、またはアクティブに、いつもはできないことを楽しむ時間となりますように。そして新年が素晴らしい年となりますように。

 

 

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