ピルツジャパンのブログ「月刊 裏ピルツ新聞」

2020年8月31日更新秋の夜長にバルミューダスピーカーで聴くジョニ・ミッチェル

 9月になってもなかなか涼しくなりませんが、もうすぐ食欲の秋、芸術の秋です。この時期、いつもならどこに何を食べに行こうか、誰のライブに行こうかなどと考えるのも楽しいのですが、今年はそんな訳にいきません。新型コロナウイルスは、都内をはじめ、各地で猛威を振るっています。そんな状況なので、家でできるだけ快適に過ごすために、テレワークが始まってから色々な道具を買いました。その中でも一番気に入っているのが、3月号のメルマガでも触れたバルミューダのブルートゥーススピーカーです。

 バルミューダと言えば、調理用家電で有名なあの国内メーカーです。名前に惑わされて、自分が使ってみるまで、海外メーカーだとばかり思っていました。トースターやレンジ、炊飯器など、シンプルなデザインと無駄を省いて必要な機能だけをとことん追求するのが特徴。どの製品も作り手のこだわりが感じられます。私は少し前までほとんどこのメーカーのことを知らなかったのですが、始まりはクレジットカードのポイントでもらった湯沸かしポットでした。注ぎ口が細く、コーヒーを淹れるにもカップ麺のお湯を注ぐにも、ちょうどよい角度で、本当に使い勝手がよいのです。ただでもらった上に、こんなに使いやすいとは!早速インターネットでユーザ登録すると、すぐにメルマガが届くようになりました。

 そのメルマガで例のLEDスピーカーに出会ってしまったのです。これから発売する製品ということで、開発の裏話が紹介されていました。社長がもともと音楽にこだわりのある方で音響器具の奥の深さを知るが故、スピーカーは絶対作らないと決めていたそうです、中途半端なものを世に出したくなかったのでしょう。しかし、このスピーカーは別物ということで開発を許可したそうです。何が別物かと言うと、ただ音を出すだけではなく、音に連動してLEDライトが点滅、点灯します。その販促映像を見た瞬間、完全にマーケティング戦略にハマってしまいました。今どき、こんな値段を出さなくてもブルートゥーススピーカーはいくらでも買えます。しかも私はもうBOSE製の同等のスピーカーを持っているのに、どうしても手に入れたくて仕方なくなったのです(断っておきますが、私はバルミューダの回し者でもなんでもありません!)。

 迷った挙句、バルミューダスピーカーをどうしても諦めることができず、注文して購入しました。正直なところ、音がびっくりするほどよい訳ではありません。もちろん悪くはありませんが、音質だけにこだわるなら、別の選択肢もあるでしょう。しかし、音楽と映像(光)をセットでライブの疑似体験をさせてくれるスピーカーは他にはありません。夜、照明を落とした部屋で、このスピーカーで音楽を聴く時間は特別です。サティのピアノ曲や村上春樹の最新作「一人称単数」にも登場するシューマンの謝肉祭(ルービンシュタイン演奏)なども夜の時間にぴったりです。

 しかし、やはりこのスピーカーが最も本領を発揮するのはボーカルです。人の歌声がもっとも引き立つように設計されているからです。特にこのスピーカーと相性のよいジョニ・ミッチェルのアルバムをご紹介します。アルバムのタイトルは「Both Sides Now」。このアルバムは、2000年にリリースされ、ゴージャスなオーケストラとジャズ奏者の演奏をバックにジョニ・ミッチェルが歌手として参加しています。ジャズのスタンダードナンバーと彼女自身の作品2曲が収められているのですが、やはり自作のA Case of YouとアルバムタイトルにもなっているBoth Sides Nowが最高に素晴らしい!ジョニが若い頃に出したオリジナル版より、歌手としても女性としても円熟したこのアルバムの録音が私は好きです。

 ジョニ・ミッチェルとの出会いはもうかれこれ数十年前ですが、当時はアルバムを聴いても、今ほど心に響きませんでした。それは彼女の音楽が大人の音楽だからかもしれません。曲、歌詞ともに、個人的に女性ボーカル曲ランキングベスト3に入る名作「Both Sides Now」についてご紹介しましょう。この曲は、空の雲は天使の羽やアイスクリームのお城のようにも見えるけれど、太陽を遮り、雨や雪を降らす疫病神でもある、と言う比喩から始まります。2番では、愛をギブ・アンドテイクの両面について、3番では人生について、失ったものと手に入れたものの両面について振り返るのです。しかし、「両面から見ると、結局どれも幻、どれも全くわからないわ..」と言う結論。多くを経験して来た彼女だからこそ、出てくる言葉かもしれません。

 秋の夜長、お好きな飲み物を片手に、ジョニ・ミッチェルのBoth Sides Now♪でしんみりとした時間を過ごされてみてはいかがでしょうか。バルミューダスピーカーがあれば、そこは自分だけのミニライブ会場になります。点滅しないキャンドルライトモード、点滅が控えめのアンビエントモード、そして、一番キラキラ光るビートモード。この曲はアンビエントが一番しっくりきます。しっとりとしたボーカルと光の演出を楽しみたい方は、ぜひお試しください。

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