ピルツジャパンのブログ「裏ピルツ新聞」

2023年3月14日更新予約の多い美容院

  3月から4月は、卒業式、入学式シーズンということもあり、美容院の予約が大変取りづらい時期です。私が利用する美容院も、いつもの担当者を指定すると、1ヵ月先の1日だけしか空きがない状況です。実は、この時期だけではなく、年間を通してこの美容院(仮にCCと呼びます)は大変繁盛しているのです。

  CCに私が通い出したのは5年ほど前で、息子が大学生になるタイミングでした。入学式に参加する前に、人生初のカラー(髪染め)と20年ぶりのパーマをお願いしました。それまで伸ばしていた髪もバッサリ切ってもらい、身軽になったのを覚えています。

  このCCは最寄り駅から1分の場所にあり、アクセスは抜群です。20年くらい前にオープンして、ずっと同じ場所で時々改装しながら、営業しています。いつもお店の前を通り過ぎる時に、掲示板で、「本日は予約がいっぱいです」、「本日カット1名の空きがあります」と言うお知らせを見ていたので、繁盛しているのは承知していました。5年前に利用するまで、私は毛先をそろえるカットしかしなかったので、そんなに混んでいる美容院にわざわざ行く必要性も感じませんでした。

  CCは、男性のオーナーと店長がそれぞれ1名、その下にスタイリストの女性2名、アシスタントの男女3名くらいがいつも休む暇もないくらい忙しく働いています。客層は性別、年齢層ともにさまざまです。見たところ70代くらいの開店以来お世話になっています、という雰囲気のお客さんもよく見かけます。時々改装しているとは言え、洗練されたデザインの店構えとか、広々とした空間とか、そう言うタイプのお店ではありません。地域住民が変に緊張せずに、安心して利用できる、そんな雰囲気が漂っています。

  この美容室、なぜそんなに繁盛しているのでしょうか?駅前には美容室が4~5件はありますが、他の美容室はCCほど繁盛していません。もちろん美容師さんの腕がよい、のは言うまでもありません。でも、それだけではない魅力があるから、固定客が多いのでしょう。私もCCのマーケティング戦略にまんまと引っ掛かり、5年前からずっと通い続けている一人です。

  CCでは他の美容室にないサービスや商品が豊富にあります。その一つが、毎月発行される紙のニュースレターです。いまどき紙?と思われるかもしれませんが、これがなかなか味があってよいのです。ニュースレターは1枚の厚めの紙に両面カラー印刷されています。オーナーやスタイリストは毎回、アシスタントの方々は交代で、日記風の短い記事を執筆します。また、毎月のコーナーとして、今月の運勢、簡単にできる運動の紹介や、オーナーのコラムがあります。コラムでは、髪によい新商品や自社で開発中の商品、参加した研修の内容などが紹介されます。私はこのニュースレターを楽しみにしていて、スタッフお勧めの観光スポットやパン屋さんなどを訪れたこともあります。今のところ、ハズレがありません。

  さらに、CCが他の美容室と違うのは、美容室なのに髪とは関係のない色々な商品・サービスを提供しているところです。普通の美容室なら、シャンプーやコンディショナー、スタイリング剤などをお店の片隅で遠慮がちに販売しているところが多いです。ですが、CCでは、ヘアー製品だけでなく、化粧品までオーナーが自社開発して販売を開始しました。販売している商品は、特長や効能がわかりやすくイラスト付きのポップで紹介されています。また、ポップは鏡のそばに貼ってあるので、お客さんの目に必ず入ってきます。商品に興味のあるお客さんには、担当の美容師さんが、もちろんわかりやすく説明してくれます。CCでオススメの商品は品質が良く、年末にはシャンプー類のキャンペーンもあって施術料サービス券が付いてくるので、毎年完売しています。私もこの時を狙って買っています。

  化粧品だけと思いきや、CCではなんと脱毛まで始めてしまいました。美容室の奥で光脱毛も利用できるとのことです。ちなみに私はまだ化粧品や脱毛は利用したことがありませんし、今後も特に利用の予定はしていません。規模の大きいチェーン店なら手を広げてもやっていけるのかもしれませんが、個人経営の1店舗のみのお店です。オーナーさんの飽くなき挑戦には脱帽しますが、ちょっと暴走し過ぎている気もして、大丈夫なのか心配にもなります。

  最近、シャンプー台で、泡で髪を洗うハイテクなシャワーヘッドが期間限定で無料で利用できるようになりました。これはとても気持ちがよく、実際のところ、どの程度の効果があるのかはわかりませんが、無料でなくなっても利用してしまう気がしています。

  それにしても、次から次へと手を変え品を変え、お客さんを飽きさせず、固定客を逃がさないCCは、すごいなといつも感心してしまいます。業界は全く違いますが、ピルツジャパンでもCCを見習って、新しいアイディアに挑戦できればと思っています。

  CCのオーナーはじめ、スタッフは、お客さんの声を大切にしています。自社開発のシャンプーや化粧品、脱毛などは、お客さんからの要望があって始めたそうです。また、最新技術の習得にも余念がなく、いつも新しいパーマやカラーの薬剤が出るたび、新技術の勉強会を開いているそうです。こうしてみると、CCの成功は偶然ではなく、努力の賜物であることがよくわかります。そして、働いているスタッフが皆さん笑顔で、楽しそうにお仕事しているのも大切なポイントです。私もぜひCCのスタッフを見習ってこの仕事を続けていこうと思います。

記事一覧

ページの先頭へ戻る