ピルツジャパンのブログ「月刊 裏ピルツ新聞」

2018年4月17日更新私流 英語の発音上達法

この間、とあるテレビ番組にて、シニア世代の方々は「D(ディー)」の発音が「デー」、「T(ティー)」が「テー」となってしまう、ということをやっていました。昔の職場に「オフィス」を「オヒース」、「ディズニー」を「デズニー」というおじさまがいましたので、ちょっと興味をもって観てしまいましたが、「デー」や「テー」となってしまうのは、舌の先の筋肉が硬いからだそうです。

番組ではそれをほぐす簡単なトレーニング方法を紹介していました。その方法とは、割り箸を2膳用意し、1膳ずつ(幅の広いほう)を口の両端に立てた状態で挟み、その口の形で「りに りに りに りに…」と言うだけ。そのトレーニングを行ったとたんに、それまでちゃんと言えなかったシニア世代の方々は、すんなり言えるようになったんです。

もともと「ディー」や「ティー」は日本語には無かった音というのもあるようですが、そもそも、ふだん使わない口の動きで発音する言葉というのは、年齢に関係なく言い難いわけで、まさに外国語がその通りだと思います。私はアメリカへの留学を機に、真剣に英語を学び始めましたが、実際ネイティブのような発音はなかなか難しく、今でも苦手な音が入っている単語は一度言うだけでは伝わらないので、何度か言い直したり、別の表現にしたりと、そんな状態です。

それでも昔よりはだいぶ上達しました。昔はなかなか自分の話す英語がアメリカ人に伝わらなくてすごく苦戦しました。相手が留学生ならば、共に英語を学ぶ身なのでその気持ちが分かり、お互いの英語を理解し合おうとしますが、現地のアメリカ人は手加減しないといいますか、良くも悪くもネイティブと同等に扱ってくるので、こちらが相手に伝わる英語を言わない限りほとんど伝わりません。とくに若者だと(都市部ではまた具合が違うかもしれませんが)、こちらのつたない英語を辛抱強く聞いてくれる人はそう多くはいないのです。

当時、英語を話すとすごく口が疲れたことを覚えています。その時は気づいていませんでしたが、先ほどのシニア世代の発音のように、英語の発音には口の筋肉のトレーニングが重要だと思います。単に克服したい一心で、私は大学からの帰り道などに自分が発音しずらい単語を、念仏を唱えるようにひたすら繰り返しつぶやきながら歩いていました(傍から見たらちょっと怖いですけれど、人とすれ違うことはたまにしかないくらい田舎だったので…)。今思うとそれが徐々に口の筋肉を鍛えていったのだと思いますし、それが英語の上達にもつながったと思います。

ところで、日本語というのは、子音の「ん」を除くと、すべての音が母音【あ・い・う・え・お】のどれかで終わる言語でして、例えば「ね」は、「ねー…」と伸ばしていると【え】になりますし、濁音の「じゅ」も、「じゅー…」と言っていると【う】になります。

このように母音で終わる言語は、他ではスペイン語やイタリア語など。日本人にとってはこれらの言語は発音しやすいと思います。実際アメリカ人の友人が言っていましたが、逆にスペイン語の発音はアメリカ人にとっては難しいようです。日本の学校で習う外国語はまず英語ですが、アメリカではスペイン語を習う学生が多いんです。私からしたら、英語も母音終わりだったらさぞかし楽だろうに…、と思わずにいられませんが、残念ながら世界の国々の言語は子音メインである方が多いようです。

 

自分もまだまだな身ですが、英語の発音に関して、アメリカで習ったことで知れたことや、自分なりに発見したことがありまして、自己流なところもありますが、いくつかご紹介させていただきたいなと思います。

まずは、日本人に苦手な『R』と『L』の発音から。「R」の音は「舌を巻く」ということをご存知の方も多いかと思います。そしてみなさん「舌を巻く」ことに一生懸命になるかもしれませんが、舌を巻くことを意識するよりも「犬がうなっているときの音」を出す(その口の形をする)方が楽です。

いわゆる「うぅぅぅぅ」という、犬の低いうなり声です。このとき、舌の奥(喉)の方は下に凹み、舌全体が下に丸くカーブしていますよね。この形が「R」です。この「犬のうなり声」というのはアメリカの語学学校で教わりました。

という音なので、「R」から始まる単語には、最初にちょっと小さく「う」の音を入れると、ネイティブっぽくなります。たとえば・・・

「雨」の「Rain(レイン)」 → 「ゥレイン」
「右」の「Right(ライト)」 → 「ゥライト」

そして『L』の方は、日本語の「ら・り・る・れ・ろ」に近いと思います。と言ってしまうと、正しい「L」の発音を教えている先生に怒られてしまうかもしれませんが、「L」は単語の中のLの位置によって、舌を前歯の後ろに当てたり、舌が宙に浮いた状態になったりする音なので、それを意識してぎこちなくなるくらいならば、日本語の「ら・り・る・れ・ろ」で言った方が、まだ良いのではと私は思っています。

例えば、『右』の「Right(ゥライト)」と、『光』の「Light(イト)」。「R」は「犬のうなり声」を意識して、「L」は「ラ」を意識して言ってみてください。「R」と「L」の違いが体感いただけるかと思います。そうして徐々に、前歯の後ろに舌を当てて「L」も言えるようになると、更に違いが分かるようになるかと思います。

ところで、この「R」「L」のように、音が聞き分けられないのは日本人だけではないんです。私が留学した大学には中東の国々からも学生がけっこうきていまして、アラブ語を話す彼らは「B」と「P」の聞き分けが苦手でした。
『B』も『P』も破裂音といって、ちょっと唾がとんじゃうかしら?くらいの勢いで、閉じていた唇から「B」は「バッ」、「P」は「パッ」と発音をします。どうもそれがアラブの国の人々には同じ音に聞こえるそうです。

私も試しに、UAE(アラブ首長国連邦)からきていた学生に、「熊」の「Bear(ベア)」と、「梨」の「Pear(ペア)」のどちらかを言って、「今言ったのはどっち?」とクイズにしてみたのですが、わからないようで間違えるんです。「どちらも同じに聞こえる」とのこと。なんだか苦労しているのは日本人だけじゃないのね、とその時ちょっと嬉しくなりました。

 

もう一つ、アメリカで英語を学んで気づいたことは、『TH』の発音についてです。

「TH」は、「The」とか「This」とか「That」とか「Thank you」など、頻繁に使われる単語にも入っていますね。この「TH」の音は、舌を前歯の間に挟んで「スー」と発音します。この、舌を前歯で挟むことを意識してやりすぎると、舌を挟んだまま空気だけスースー… というような、なんだか舌っ足らずな感じになってしまいます。そして「TH」は日本語には無い音なので、カタカナ表記をしようとしても

 「The」→「
 「This is」→「ディス イズ」
 「That’s」→「ッツ」
 「They are」→「イ アー」
 「Thank you」→「ンキュー」

という風に、「サ行(ザ行)」で書かれることが多いですよね。「This」はダ行ですが。
私が思ったのは、この「TH」の発音は、「サ行」よりも「タ行」に近いのではないか?ということです。

「タ・チ・ツ・テ・ト」と言ってみると、なんとなく前歯の後ろあたりに舌の先端がありませんか?これが「TH」の口の動きに近いんです。実際、「TH」は、次の音に応じてすぐに舌を引っ込めたり、すぐに前歯の上下が離れたりするので、前歯で舌を挟んでいる時間はほんの一瞬…、もしくは前歯の後ろをチョット触る程度の時もあるんです。となるとやはり、サ行より、タ行の音に近いのですよね。

これを発見した当時、ネイティブの人にも確認をしてみました。
「I think(私が思うに~)」の「think」を、舌を前歯で挟みしっかり「TH」発音した場合と、単にタ行に変えて「ティンク」と言った場合、どちらが正しい発音なのか? と。 そしたら、どちらも正解だと言っていました。

正直私は「ティンクは似ているけどちょっと違うな」などと言われるのかと思っていたので、全く問題ないと言われて意外でした。つまり、思い切り「S」の音で「I think(アイ ンク)~」と言って、「I sink…(私は沈みます)」といった誤解を受ける・・・な~んてことはほとんど無いと思いますが、それよりも「アイ ティンク」と言う方がアメリカでは伝わると思います。

「The」は、「ザ」よりも「」 (※ あとに続く言葉が母音の場合は「ジ」)
「That’s」は、「ザッツ」よりも「ッツ」
「They are」は、「ゼイ アー」よりも「イ アー」

私はこの「THはタ行」に気付いてから、自分の英語が相手に通じる割合がグンと増えました。「TH」の発音が苦手という方は、一度「タ行(ダ行)」でお試しください。これはオススメです。

 

最後に、たとえその単語が日本語であっても、アメリカで良く言われている言い方にする方が通じやすい、という話です。

アメリカではローマ字表記された日本語の一部はアルファベット読みされてしまいます。具体的に言うと、その日本語がローマ字表記のルールに従って【あ=A、い=I、う=U、え=E、お=O】と書かれていても、アメリカ人は「I」は「い」ではなく『アイ』、「E」は「え」ではなく『イー』と、アルファベット読みをすることがあるんです。

英語は、単語一つ一つに読み方(発音)が決まっていて、そこに含まれている「I」や「E」も、その単語ごとに音が決まっています。ですが、アメリカ人からしたら英語以外の単語の読み方は分からないため、アルファベット読みしてしまうのだと思います。すべての単語でそうなるというわけではないので、そこには綴りや言いやすさなどが絡んでいるのかと思いますが、例えば…

日本酒 SAKE の「E」が「イー」の音になり → サ

正しく「サケ(酒)」と言っても相手に通じなかったら、「サキ」と言う方が通じます。正しい発音は「サケ」ですけれど。

カラオケ KARAOKE → カラオ
ポケモン POKEMON → ポモン
私の名前(イワナガ)も IWANAGA → アイワナガ と、最初はそう呼ばれるので、毎度訂正しなければなりませんでした。

そして、日本語だけでなく、他の国からきた言葉も同様のようで
イケア IKEA → アイキ
ゴディバ GODIVA → ゴダイバ (ゴダイヴァ)

日本より安く買えるからと、もしアメリカでゴディバのチョコを探すなんて場面がございましたら、その時は「ゴダイバ」って言ってみてくださいね。

そういえば、アメリカでお世話になった方の中に、ノリタケ食器が大好きという方がいるのですが、彼女は「Noritake」を「ノーターキ」って呼んでいました。これは彼女だけ?なのかわかりませんが、「ノリタケ」と言うのは言い難そうでしたので、それ以上は訂正しませんでした。”郷に入っては郷に従え” その現地で通じる言い方にするというのも、会話が通じやすくなる一つの方法だと思います。

日本でも多くの言葉が外来語として、本来の発音ではなく、日本人が言いやすいカタカナ語で広まっていますよね。例えば、りんご(Apple)は「アップル」という風に。日本にいる外国の方々には、「ェアポー」なんて言ってもらっても日本人にはハテナ?ですので、そこは「りんご」か「あっぷる」と言ってもらう方が通じやすい、というわけです。

 

・・・などなどなど、どのくらいお役に立つのか分かりませんが、ここに書かせていただいたものは、私のアメリカ・オハイオでの留学そしてインディアナ生活での体験を基にした、個人的な考えによるものです。アメリカでも違う地域や、英国やオーストラリアなどなど国も異なれば、発音の仕方もだいぶ異なってきます。正しい発音はネイティブや英語講師から学んでいただき、私の方法は裏技程度にご参考いただければ幸いです。 (N.I.)

 

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