2023年6月20日更新嵐の中のLes Cordes生音ライブ
6月2日(金)、日本全国に集中豪雨や強風をもたらした梅雨前線が横断しました。関東でも当日は滝のような雨、傘もさせないような強風で、私の住む地域では大雨警報が発出されました。その夜、このブログの「アラフィフおやじのギター日記」でお馴染みの川野さんのデュオLes Cordes(レ・コルド)のライブが予定されていました。当日直前まで参加をためらいましたが、こんな日だからこそLes Cordesの演奏を聴いて、鬱々とした気分を晴らしたいと思い、行くことを決断。被災地を取材するレポーターのような重装備で出陣しました。
幸い、電車は運転しており、開演時刻の10分前に最寄り駅のJR青梅線、牛浜駅に到着しました。重装備にもかかわらず、レインコートを突き抜ける雨で下半身はびしょ濡れ、吹きすさぶ風で髪はハリネズミ状態でした。ライブ会場のお店の名前はNOUKA(のうか=農家)。(オーナーのママさんは現役シンガーでもあり、「農家」の暮らしについて歌う農家の歌の動画を公開しています。)周りの居酒屋とは一線を画すオシャレな店構えのお店。ドアにはLes Cordesのライブのチラシが貼ってありました。ここに間違いありません。早速写真を撮影しました。
こわごわドアを開けると「いらっしゃいませ」と言うママの明るい声が聞こえ、ほっとしました。Les Cordesはリハーサル中で、あたりを見回しても他にお客さんはいない様子。やっぱりこんな日に来る人は私くらいでした。少し気後れして席に着き、飲み物を注文。すると飲み物とほぼ同時に一口サイズの手の込んだお通しがテーブルに置かれ、気分は上昇。さて、これからライブが始まります。
ライブはリードボーカル兼ギターの”よっちゃん”こと吉崎さんのオハコ「接吻」、「風をあつめて」、「How deep is your love」などのレコルドの定番曲でスタート。そこで気づいたのは、「このライブ、何かがいつもと違う」、と言うことでした。それは、マイクを通さない生音のライブだったのです。会場は狭すぎず、広すぎない空間で、マイクを使わなくても十分聴こえました。爽やかなよっちゃんのボーカルに川野さんの澄み渡るオベーションギターの音色がかぶさり、外の嵐はどこ吹く風。ブルーノ・マーズの「Just the Way You Are」の演奏を聴きながら、アメリカ西海岸の青空を思い浮かべました。そして舞台は西海岸から湘南の海へと移動し、サザンの「真夏の果実」が演奏されました。貸し切り状態の会場は外とは別世界で、こんなライブをたった一人で聴いているのがもったいない、と思ったことでした。
ワンマン(ワンユニット?)ライブなので、前半の後は休憩時間があり、お二人も喉を潤し、しばし談笑しました。その途中で、川野さんの息子さんも参加。観客が一気に二倍になったと喜ぶよっちゃん。そろそろワイングラスが空になり、気になっていたGargery(ガージェリー)ビールを注文しました。このビール、飲食店でしか飲めないスペシャルなビールで、しかもオシャレな専用グラスに注がれるのです。3種類ある中で、フルーティなエールを注文しました。見た目通り、味も最高でした。
さて、後半はCharの「All Around Me」に続き、福山雅治の「桜坂」、エリック・クラプトンの「Tears in Heaven」…と名曲が続きます。そして、ユーミンの「よそ行き顔で」、「卒業写真」は、私も小声でハモリながら聴きました。男性が歌うユーミンもいいものですね。あっと言う間に最後の曲SMAPの「オレンジ」になり、そろそろ閉幕の時間。ちょうどお店の予約終了時間となったのですが、ママさんからOKが出て、アンコールに小田和正の「確かなこと」を演奏してもらいました。コロナ禍でスタジオでの練習ができない中、毎週オンラインセッションで練習を重ねてきたLes Cordesの息の合った演奏に酔いしれた、あっという間の2時間でした。
嵐の夜、こんな素敵な時間を過ごせた私はなんて幸せ者、そう思いながら岐路に着きました。Les Cordesの演奏も、こんな日にお店を開けてくれたママのやさしさも、談笑の時間も、すべてが一期一会の大切な出会い・ひとときで、本当に「行ってよかった」ライブでした。今回は音源はなく、共有できないのが残念です。それではみなさま、梅雨の時期も爽やかにお過ごしください。
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